日本シリーズ進出を決めた小久保監督がファンの歓声に応える。王者の意地をみせた=みずほペイペイドーム(撮影・中島信生) まだパ・リーグCSファイナル最終戦のプレーボールすらコールされていない夕刻の大阪・難波の社内。のほほんとした空気が漂う当番デスク席に座っていたのは阿部祐亮だった。ふと、目の前にいたメディア局次長兼コンテンツ編集部スポーツ部長の堀啓介に話しかけた。
「トラ番たちは、ソフトバンクが勝ったら、博多でおいしいものを食べられるし、日本ハムが勝っても、札幌でおいしいものを。どちらになっても、ハッピーな出張ですね。阪神は、北海道にはシーズン中に行ってるから、博多のほうがいいかもしれませんね」
堀からの返事がない。部の予算を預かる立場の部長としては「北海道も、九州も、遠いから出張旅費がかかるなぁ」という現実的な思考が脳裏を駆け巡っている。
そんな管理職の悩みなど、理解しないデスク阿部は、再び話しかけた。
「もし、ロッテがシリーズに出てきていたら、千葉県ですよ。千葉県においしいものなんて…」
ムッ! 上司の表情が変わったのを、部下は瞬時に察知した。