サプライズの〝虎の麟太郎〟はある!? プロ野球12球団が上位指名を見送る公算の高い、佐々木麟太郎内野手(20)=スタンフォード大=を3~6位辺りで指名可能な球団は戦力充実の阪神かソフトバンクに限られるはずです。プロ野球ドラフト会議が23日に開催。阪神は大学№1スラッガーの創価大・立石正広内野手(21)の1位指名が確定的ですが、2年後のセ・リーグDH導入に向けて、花巻東高時代に通算140本塁打を記録した左の強打者は願ってもない存在です。佐々木の大リーグ志望が垣間見え、全球団が指名を回避する空気の中で阪神は果敢に…となれば実にオモシロい!
通算140本塁打を記録した花巻東高時代の佐々木麟太郎今年もドラフト会議の日がやってきます。虎番としてのドラフト取材には様々な思い出があります。思い出の一つは1985年秋のドラフト会議。阪神はPL学園・清原和博を指名しましたが、南海(現ソフトバンク)、日本ハム、中日、近鉄(消滅)、西武と6球団が競合し、交渉権獲得の当たりクジは西武に…。清原が入団を熱望していた巨人は同じPL学園で活躍し、ドラフト前は早大進学が有力視されていた桑田真澄を1位指名しました。巨人と桑田に対する複雑な心境から悔し涙に暮れる清原の表情がこの年のドラフトのハイライトでした。
清原の交渉権を逃がした阪神が外れ1位で指名したのが遠山奨志だったのです。中央球界には無名の存在だった「と~やま!?」の名前に頭の中が? どうやら熊本・八代第一高(現秀岳館高)のエースで4番ということが分かり、阪神の九州担当スカウトだった渡辺省三さんに情報を聞きに行くと「凄い左腕や。打者としても凄いんや」と会心の笑顔。すぐ羽田空港から熊本空港に飛び、とりあえずJR熊本駅にたどり着いた時は夕刻でした。
そして、駅の案内所のおばちゃんにスカウトから頂いた資料に載っている住所をお見せし、一番早く着ける方法を聞きました。すると、JR八代駅からタクシーに乗れ…と。「八代駅からすぐです」と言われたので、特急で八代まで行き、タクシーに乗ったのですが、まあ遠いのなんの…。メーターを見ると1万円オーバー!? 山間部にあった遠山家に着いた時には周囲は真っ暗。遠山君はカレーライスを頰ばっていました。取材して帰る時、お母様に言われたのは「イノシシに気を付けてください」。それから最寄り駅の駅前にある旅館に約1週間ほど泊まったのですが、世間は清原&桑田騒動で持ち切り。遠山の原稿の依頼はほどんどなく、旅館の部屋で〝主〟の家クモと格闘する日々でした。
まあ、そんな昔話はこれぐらいにして、今年のドラフト会議は23日に開催されます。阪神は大学№1スラッガーの創価大・立石を1位指名することが確定的です。最大6~7球団が競合するとも言われていて、クジを外した時はどうするのか…。他球団の戦略を睨みながら、様々なパターンが考えられるでしょう。いずれにしても、阪神の球団関係者は「近い将来、佐藤輝や森下が大リーグに行き、近本や大山らも年齢的な問題が出てくる。3~4年先、チームの主軸を担える野手が欲しいので、1位は野手になるだろう」と言い切っています。立石の交渉権獲得ーが虎にとっては最高のパターンと言えます。