八回無死二、三塁、DeNA・牧秀悟の飛球捕球後の本塁送球で三走の突入を阻止した阪神・森下翔太=甲子園球場(撮影・水島啓輔) (JERA クライマックスシリーズ セ ファイナルステージ、阪神5x-3DeNA=延長十回、第2戦、阪神3勝、16日、甲子園)オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(59)は阪神・森下翔太外野手(25)の守備と中継ぎ陣を絶賛した
短期決戦になると、選手が意識したりするものだが、阪神はシーズン同様の戦いができている。しっかり守って、救援陣がほぼ全員、仕事を果たす。これが2025年の阪神だろう。象徴的だったのが八回の守備だ。無死二、三塁の大ピンチ。1点でも奪われれば、試合は決する場面。牧の右飛は浅かったが、三塁走者はどうするか、微妙なケースだった。でも森下の肩があるから、相手は無理できない。シーズンから、その強肩を見せていたから、DeNAは突入をためらわざるを得なかった。
さらに山本の三ゴロで三本間の挟殺プレーになったが、ここでも三走をアウトにするのが非常に早かった。結果、二走は三塁へ進めなかった。2死一、二塁で岩貞にスイッチしたわけだが、救援投手にとって、走者が二塁と三塁では天と地ほどの開きがある。三塁に走者がいるケースで一番怖いのは暴投だ。つまり、三塁に走者がいなければ、思い切って低めに投げられるのだ。
岩貞は3球連続でスライダーを投じたが、これがすべて低いコースに決まり、最後は空振りの三振を奪った。すべては、挟殺プレーが絶妙だったから。継投もシーズン同様に素晴らしかった。16日に及川、石井がイニングまたぎをしているので1点ビハインドの状況では投げさせにくい。代わって出番になった畠、湯浅、そして岩貞が役割を果たした。勝ちパターンの救援陣に目が行きがちな今年の阪神だが、劣勢が仕事場の投手たちが我慢の投球をするので、あの独走Vがあった。中身の濃いサヨナラ勝利だったといえる。