四回、本塁打を放つDeNA・牧秀悟(撮影・松永渉平) (JERA クライマックスシリーズ セ ファイナルステージ、阪神-DeNA、第2戦、16日、甲子園)甲子園にかけた放物線にスタンドは静まり返った。2-2で迎えた四回無死。左手親指付け根の手術から復帰したDeNAの主将・牧が勝ち越しのソロアーチを放った。打球がスタンドに入ると、一塁上を回り拳を突き上げた。左翼スタンドの一角を埋めたDeNAファンへ、デスターシャも披露した。
「前の回に同点に追いついてくれた流れで打席に入れたので、さらに集中して打つことができました」
才木の甘く入った149キロを振り抜いた。第1打席ではフルカウントから四球。特大のファウルを左翼側に放つなど、復帰4戦目で長打の兆しを見せていた。牧の本塁打は離脱前最後の試合だった7月31日のヤクルト戦(横浜)以来、77日ぶり。帰ってきた主将の快音に、ベンチは総立ちで沸き立った。
負ければ王手をかけられる一戦。第1戦はエース東を立てながら、12残塁とベイスターズらしい攻撃が鳴りを潜めた。3度、得点圏で回ってきた打席で凡退した牧も責任感をにじませる一人。「相手もリズムに乗ってしまうし、チームにいいリズムを持ってこれなかった。そこが敗因」と振り返りながらも、「何とか次は打てるように、明日はやっていく」と前向きな言葉で締めくくっていた。
本職の二塁ではなく、一塁で集中力を研ぎ澄ませる背番号2。長いリハビリ生活を経て飛び出した一発が、横浜反撃ののろしとなる。(阿部慎)