選手交代を告げる阪神・藤川球児監督(左)=甲子園球場(撮影・水島啓輔) (JERA クライマックスシリーズ セ ファイナルステージ、阪神2-0DeNA、第1戦、阪神2勝、15日、甲子園)勢いを携えて甲子園に乗り込んできたDeNA打線を、いきなりの執念継投でピタッと止めた。またがせて、さらにまたがせて、会心の零封勝利だ。この一戦は絶対に取るんだという気迫が、阪神・藤川監督のタクトに乗り移った。
「チーム全員の力というか、ファンの方を含めて、すごくタイガースらしいゲームになったと思います。やっぱり集中力が非常に高いですから。この辺りはタイガースの野球という感じですね」
全幅の信頼を寄せてファイナルステージ開幕のマウンドを託した村上が、多くの球数を要しながらも5回零封と粘ってくれた。あとは、指揮官の腕で白星を持ってくるだけだった。
六回から及川を投入すると、直後に攻撃陣が2点を先制。さらなる継投に入るのかと思いきや、6月以来の回またぎを命じた。及川も見事に応える。先頭・桑原に中前打を許しながらも佐野、そして横浜高の大先輩・筒香と左打者2人から連続三振を奪ってみせた。
2死となったところで、将はまたベンチを立つ。ここで、レギュラーシーズンを世界新記録の50試合連続無失点で終えた石井を投入した。牧に左前打を浴び一、三塁とされるが、ここからがこの無失点男の強さ。代打フォードを150キロ直球で三振に仕留め、切り抜けた。石井もイニングをまたいで八回も三者凡退に仕留め、九回の守護神・岩崎へとスムーズにつないで逃げ切った。
「またあした(16日)も同じように戦うのみですね。またあしたですね。頑張ります」
言葉こそいつも通りだったが、2人の回またぎに、この日に懸けるすべての思いが表れていた。全員が同じ方向を向き、会心の一勝だ。(須藤佳裕)