三回、適時二塁打を放った中村。ベテランが奮起した(撮影・中島信生) (パ・リーグ、オリックス0-5ソフトバンク、20回戦、ソフトバンク15勝3敗2分、15日、京セラ)三塁ベースに軽やかに滑り込み、拳を握った。「4番・一塁」で出場した18年目の35歳、中村が三回に貴重な追加点となる2点二塁打。オリックスをスイープし、優勝マジックは1つ減って11。連覇へ、また前進した。
「先制したいい流れに続いて、思い切っていくことができた」
今季33度目の4番起用にしっかり応えた。直前に柳町が中前適時打を放って1点を先制した直後の2死一、三塁。気落ちしたエスピノーザが見せた隙を逃さなかった。カウント1-1から真ん中に入ったツーシームを振り抜いた打球は右中間フェンス下に直撃。自身も送球間に三塁を陥れる好走塁をみせた。
9月は9試合で打率・407(27打数11安打)、4打点。V争いで緊張感が高まるシーズン佳境で「個人成績とかじゃなく勝つことだけを目標にしっかり戦っていければ」とチーム一丸を強調し、集中を切らさない。
中村はTシャツを掲げる。川村さんに捧げる一打だったこの日は長年ホークスの選手を支え、5年前に遠征先の神戸市内でくも膜下出血のため55歳で急逝した川村隆史コンディショニングコーチの命日。中村にとっても2008年の入団以来、トレーニング方法を教わり「恩師の一人」という大きな存在だった。場内でヒーローインタビューを受けた直後には、数年前にチームで製作したという川村さんへの感謝の思いを表現したTシャツを掲げた。「川村さんの力も借りて勝てたのかなと思います。入ったときからずっとお世話になっていたコーチ。まだ元気でプレーできているのは川村さんのおかげかなと思います」と思いをはせた。
小久保監督は中村の一打について「そら4番なんで」と結果は当然と言わんばかりだが、それも信頼の証しだ。優勝を争う2位・日本ハムも勝利したが、最終盤でベテランが勢いを増してきたところに鷹の強さがある。(上阪正人)