完投勝利のオリックス・曽谷龍平 =ベルーナドーム (撮影・高橋朋彦) (パ・リーグ、西武1-3オリックス、9回戦、西武6勝3敗、18日、ベルーナD)心地良い疲労感は、最後まで投げ抜いた者だけが味わえる特権だ。オリックス・曽谷が3年目で初完投を達成し、チームの連敗を3で止めた。ヒーローインタビューの第一声で「疲れました」と語り、笑みを浮かべた。
「投げていて楽しかった。それが一番大きかったかな」
一回にD2位・渡部聖(大商大)に先制弾を浴びたが、二回以降はリズムよく腕を振った。試合前まで自己最長の投球回は7回⅔。左腕にとって九回のマウンドは未知の領域だったが「しっかり相手と勝負ができた」と三者凡退に片付けて今季4勝目を挙げた。リーグトップタイの5勝をマークしている西武・隅田との投手戦を制し「少ない点数でいけば負けない」とうなずけば、岸田監督も「気持ちが乗っていた。すばらしかった」と絶賛した。
すべてを野球にささげるストイックな男だ。昨オフに退寮し、一人暮らしをスタート。自宅ではタブレットで自分の投球を振り返ったり、治療に充てたりするなど自己投資に時間を割く。「ゆっくりしたい気持ちもあるけど、ここで抜いたらダメ。あと何年野球を続けられるか分かりませんから」。1秒も無駄にしない。マウンドに上がるために人事を尽くすのが信条。自炊でも母・香織さんにレシピを聞くなどしてレパートリーを増やし、食事の栄養バランスも大事にする。そんな細かなプロ意識が、活躍につながっている。
「これ(完投)を機にもっと成長していきたい」
負ければ3月29日の貯金ゼロとなる可能性があった試合でチームを救った。10日にソフトバンク戦の連敗を12で止めたのも曽谷だ。登板3連勝と成長著しい24歳の快進撃は、まだまだ続く。(織原祥平)
■曽谷 龍平(そたに・りゅうへい) 2000(平成12)年11月30日生まれ、24歳。奈良・斑鳩町出身。斑鳩小1年で野球を始め、斑鳩中では志貴ボーイズでプレー。秋田・明桜高に進学し、2年夏には控え投手として夏の甲子園に出場。白鷗大ではベストナインなど複数タイトルを獲得。2023年にドラフト1位で入団。今季は7試合登板、4勝2敗、防御率2・05。年俸3800万円。183センチ、83キロ。左投げ左打ち。背番号「17」