走る! 走る! 今年の阪神は走る! やっぱり野球の醍醐味(だいごみ)はド派手なバッティングかもしれない。だけど、隙をついて塁を一つでも進めることはやはり大事だ。
自慢の投手陣に攻撃陣も絡んで、現在首位(数字は全て17日現在)。特筆すべきは点の一つは盗塁数だ。昨季がリーグ5位の「41」だったのに対し、2位に11差をつけるダントツの「31」で成功率も81・6%(昨季は53・9%)。近本がセ・リーグ盗塁ランキング1位の「9」。中野も昨季とすでに並んで「6」。この2人で量産するかと思いきや、今季の阪神は少し違う。昨季、盗塁ゼロだった佐藤輝はすでに「3」。他にも大山、梅野、森下も2年ぶりの盗塁を記録した。
虎の走りを引っ張る筒井壮外野守備走塁チーフコーチは「走れる選手、走れない選手の区別はしていない。サインが出たときにうまく動かせるように、みんなトレーニングしています」と語る。日々の試合前練習では外野陣を集め、自分が投手役になり、盗塁練習を課している。
4月15日のヤクルト戦(松山)で盗塁を決めた森下は「去年より確実にサインは多く出ると思うので。自分もずっと盗塁をできていなかったんですけど、盗塁する機会があるんだったら、積極的に思い切っていきたいなと思っています」と語った。昨季の成功率が46・2%だった中野は「筒井コーチを含めて、背中を教えていただいている部分があるので。勇気を持って走ることができていますし、チームとして盗塁だけではなく走塁への意識というのも、個人個人が高い意識で走塁ができていると思います」という。筒井コーチは盗塁数増について多くは明かさなかったが「個人的にアドバイスは変えていますけど、選手によってストロングポイントがあるから。それを押していこうとしています」と説明した。
体感の話にはなるが、今季の虎はエンドランやランエンドヒットなどの仕掛けも目立つ。ファウルで成立しない場面が多くあるため、スポットライトは当たっていないが、とにかく走る-。オールスター前にはほぼ確実に去年の盗塁数を超えるだろう。最終的にどこまで数字を積み上げるのか、注目だ。(渡辺洋次)