長岡は九回にサヨナラ打を放ち、ヤクルトのベンチに向けて人さし指を向けた(撮影・長尾みなみ) (セ・リーグ、ヤクルト5x-4巨人、25回戦、巨人13勝12敗、29日、神宮)ヤクルトは巨人最終戦(神宮)に5-4で逆転サヨナラ勝ちし、今季初の5連勝を飾った。1番の長岡秀樹内野手(23)が九回1死一、三塁で右前にサヨナラ打をマークした。正遊撃手は三回には中前打を放ち、2安打1打点で今季159安打に到達。安打数トップで並んでいた阪神・近本を抜き、自身初の打撃タイトルとなる最多安打を視界に捉えた。
お立ち台でつば九郎とともにポーズを決める長岡(撮影・長尾みなみ)仲間が集まる一塁ベンチを、誇らしげに指さした。4-4の九回、23歳の長岡が一、二塁間を破るサヨナラ打。2万9504人の歓声が響く神宮で、歓喜のウオーターシャワーを浴び、びしょぬれになった前髪を満面の笑みでかき上げた。
「ちょっと寒いですね。(前打者の松本)直樹さんに決めてほしかったんですけど…(笑)。いい緊張感を持って打席に入れました」
1死一、三塁、前進守備の内野陣を見て開き直った。「ヒットコースが広く感じるな」。カウント2-0からフォークボールをたたいて勝負を決めた。三回には中前打で出塁し、サンタナの適時打で本塁に生還。2安打1打点と輝き、今季159安打に伸ばした。
安打数がトップで並んでいた阪神・近本がこの日1安打だったため、単独トップに浮上。近本に加え、吉川(巨人)、秋山(広島)らと自身初の打撃タイトルとなる最多安打を争っており「名前を見れば、僕より実績がすごい。そういう選手とシーズン終盤で競えていることが幸せですし、光栄」と目を輝かせた。
昨季は135試合の出場で打率・227。2月の春季キャンプで高津監督から「お前は一生8番だ」とハッパをかけられた。雪辱を誓い、「この3年で一番、練習している。うまくなりたいから」と自負する。試合前練習の全メニューをこなした後の〝おかわりティー打撃〟をルーティン化し、相手投手の分析も徹底。「得点圏で投げる球で、この投手はどこにヒットが多いかなどを頭に入れながら打席に入っているので、そこが(勝負強さの)要因かな」と成長につなげている。
〝永久8番指令〟を出した高津監督は、頼もしくなった背番号7を見つめ、「今は1番バッターで、3番も打つわ。チーム事情にもよるけど、今年の中盤以降に関しては、前を打たせてもいいのかなというふうになってきた」と認めた。
チームは5位ながら、村上が本塁打王、打点王、サンタナが首位打者と打撃部門のタイトルを総なめ状態だ。残り3試合。「(タイトルは)取れればいいですけど、取れなくてもね。気にせずいく」と長岡。その一打席に集中する。(武田千怜)