七回、巨人・岡本が適時二塁打=マツダスタジアム(撮影・今野顕) (セ・リーグ、広島1-8巨人、25回戦、28日、マツダ)優勝へのマジックナンバーを「1」にしていた巨人が広島に快勝し、セ・リーグを4年ぶりに制した。1リーグ時代の9度を含む通算48度目の優勝を飾った。
責任と重圧-。主将として、4番打者として戦ってきた日々が報われた瞬間だった。勝ち越し二塁打を含む4安打で3打点を挙げた岡本和真内野手(28)は歓喜の中心で笑顔を見せた。
「この優勝を目指してやってきた。こういうところで打ちたいと思って取り組んできて、最後は打つことができた」
1―1の六回無死一塁で左中間へ適時二塁打。3―1の七回1死一、三塁でも左中間へ2点二塁打を放ち、沸き上がる三塁ベンチに塁上で両手を上げて応えた。
打撃の歯車が狂った6月は打率・217と低迷。理想と現実のはざまで葛藤し、嘆く日もあった。それでも「僕が打っていれば」と全試合で宿命を背負い続けたのは、阿部監督を男にしたい一心からだった。
〝あの日〟の心遣いに報いたかった。打撃不振で3年ぶりに4番を外れた2022年。もがき苦しむ中、当時1軍作戦兼ディフェンスチーフコーチだった阿部監督の自宅に招かれた。
新旧4番2人だけの時間。普段は下戸でほとんど酒を口にしない岡本和も「あの日ばかりは少し飲みましたね」。ほろ酔いになりながら耳を傾けた先輩の助言に救われた。
「酔拳でいくくらいでいいんだよ」
抱え込みすぎずにやってほしいという意味が込められた言葉。何より気にかけてくれていることがうれしかった。1軍で出始めた頃からロッカーが隣で4番道を教わった。「僕のことをよく知ってくれている数少ない方。言葉を掛けてくれるのはありがたい」。最高の形で恩返しした。
「これからはもっと厳しい戦いになる。僕自身、日本一は経験していないので頑張っていきたい」。背番号25が広島の地で優勝の喜びに酔いしれた。(樋口航)
★データBOX
❶岡本和の勝利打点は両リーグ最多の21度。2リーグ制(1950年)以降、巨人で勝利打点を20度以上挙げたのは長嶋茂雄(63、66年21)、王貞治(70年20、78年21)、原辰徳(83年20)、小笠原道大(08年20、09年22)、阿部慎之助(12年21)に次ぐ12年ぶり6人目(9度目)。全試合に4番で先発出場し20度以上なら、岡本和が初。
❷チーム本塁打数は昨季のリーグ最多の164本から今季は同3位の80本と半減。2リーグ制以降、巨人が優勝したシーズンにチーム本塁打が90本に届かずに終われば、52年(77本)、53年(80本)、55年(84本)、61年(89本)に次いで63年ぶり5度目。