契約更改した湯浅が会見に臨む。引き締まった表情でさらなる成長を誓った(代表撮影) 日本シリーズは「神戸決戦」に持ち込まれた。クライマックスの2試合、楽しませてもらいましょう。
タイガースの契約更改も本格化してきた。湯浅、西純、石井大、村上、小野寺と5人の選手が登場して、5人ともにアップした。微増の選手、そこそこ上がった選手と、アップ幅に差があっても、更改した5人全員が昇給というのは、意外に珍しい事象ではないか。
さぞやハッピームード満開だろうと想像して、取材したトラ番・菊地峻太朗に聞いてみた。
「それが、満面の笑みというのは、あまりなかったですねぇ」
菊地によると、入団2年目の西純は初勝利は喜べても1軍に定着できなかったことを反省したらしい。チーム内の同い年、及川が救援陣の一角としてシーズン後半は1軍に定着。ライバル球団を見渡しても奥川(ヤクルト)、佐々木朗(ロッテ)の同期の星はすでに球界トップ級の活躍。高校時代から騒がれたドライチとしては、確かに喜べないか。
ことしのルーキーだった石井大も、ドラフト8位での開幕1軍は立派だったが、同期入団の1位・佐藤輝、2位・伊藤将、6位・中野の驚異的活躍を見せつけられると、満足なんてしていられないのだろう。
比較する相手がすごすぎると、競争世界、大変なんだなぁと改めて思う。
何十年も契約更改の取材を経験した〝小市民〟の私なども、毎年、サインして会見場に現れた選手と、心の中で勝手に〝勝負〟してきた。
高卒1、2年目の選手が「現状維持です」な~んてかわいく答えていると「そうかそうか、俺と同じぐらいの給料だな。頑張れよ」と心の中で応援する。
それが1シーズン活躍して、「3000万円です」な~んて胸を張られると、急に遠くの存在になって、話しかけたくなくなってしまう。自分が小さい人間だと感じる季節、それが契約更改だった。
「同世代の選手たちがあっという間にウン千万円プレーヤーになってしまうから、夢のある仕事だと思う一方で、別世界の人になってしまう感じですよね。憧れますが、1年先に同じような活躍ができるかどうか、分からない世界は大変です」
菊地も〝小市民〟の私に近い感想。一獲千金がいいか、地道な人生設計がいいのか。人それぞれです。
横浜出身の菊地は、東京在住の彼女とラブラブ交際中。彼女はジャニーズのファンで、最近は「なにわ男子」がお気に入りだとか。彼女のハートをキャッチし続けようとサンスポのハマっ子は考えた。
「今は大阪に住んでいるから、俺も『なにわ男子』だ」
大阪弁は一切話せないものの、驚異的な人気を誇るアイドルグループの力を借りつつ、幸せ維持を狙っているらしい。恋愛は人それぞれです。
緊迫した試合の連続となったシリーズ。見る側は面白いが、プレーしている立場は胃が痛い。そして、サンスポ編集局内にも痛みで顔が引きつっている男がいた。当番デスク・阿部祐亮だ。
「シリーズが終わるか、終わらないかで、各球団の原稿のトーンは全く違いますから。昨晩はいろいろ考えたら2時間しか寝られませんでした」。仕事だと割り切れるか。苦痛だと感じるか。これも、人それぞれ-。