新任の藤井コーチ(後ろ右)が見守る中、中野は打撃練習に励んだ(撮影・林俊志) さっそく中野㊨を指導する藤井コーチ(撮影・林俊志)阪神・矢野燿大監督(52)は20日、SNSで一塁守備への挑戦を表明した糸井嘉男外野手(40)の意向を歓迎した。出場機会を求めるベテランの姿勢が、虎の若手、中堅にも大きな刺激を与える。新任の藤井康雄1、2軍巡回打撃コーチ(59)は甲子園で行われた秋季練習で初指導。中野拓夢内野手(25)の体の使い方がレジェンドのイチロー氏(48)と同じタイプだと、さらなる期待をかけた。
シャープなスイングを操る体の使い方に、あの大打者の姿が重なった。早速始まった藤井康コーチの個別指導。中野は目指すべき形を示された。
「イチローさんだったり、そういうタイプと似ていると言われた。似た選手のバッティングも参考にしながら、取り入れながらレベルアップできたらと思います」
藤井康コーチといえば、体の使い方を「前後」「内外」で4種類に分類した「4スタンス理論」に基づく指導で有名だ。仮診断ではあるが、中野は日米通算4367安打を誇るイチローと同じ「A1」タイプだった。
最適な動きは世界屈指の安打製造機と同じ体の使い方。ルーキーイヤーは打率・273、127安打だった。これができれば、もっと伸びる。そして、一目見ただけでも、この男にはセンスがあった。午後の個別練習中、特打を行う中野のもとへ藤井康コーチが歩み寄る。そこから、身ぶり手ぶりの熱血指導だ。
注目したのは「いかに自然な形で振れるか」ということ。人間本来の動きを駆使してスイングしているかだ。この本来の動きに制限をかけている選手が多かった。しかし、中野については「思っているような、近い動きはできていると思います」と太鼓判。数々の大打者を育てた名伯楽の目からしても光るものがある。
中野は「細かい体の使い方を覚えることで遠くに飛ぶかもしれませんし、打撃が向上するかもしれない」と腕をまくった。より高みへ-。〝藤井理論〟を完璧にモノにする。(原田遼太郎)
★4(フォー)スタンス理論 整体師・廣戸聡一氏が提唱する理論。身体特性には4種類あり、それぞれに合った身体の動かし方をすることでパフォーマンスの効率が上がるというもの。生まれ持った重心の位置によりA1(つま先・内側)、A2(つま先・外側)、B1(かかと・内側)、B2(かかと・外側)の4タイプに分けられる。AとBは動作に大きな違いがあり、Aは伸び上がり、Bは沈み込むのが特性。