楽天に快勝し、抱擁を交わす投打のヒーロー、山本(背中)と杉本(撮影・福島範和) (パ・リーグ、楽天0-4オリックス、25回戦、10勝10敗5分、25日、楽天生命)25年ぶりのリーグ優勝へ〝隠れマジック〟「1」が点灯した。オリックス・山本由伸投手(23)が4安打に抑えて完封し、レギュラーシーズン最終戦で楽天に4―0で快勝。ソフトバンクに7―15で大敗したロッテをかわして首位に浮上した。2位に転落したロッテの優勝へのマジックナンバーは「3」のまま。27日以降の残り3試合でロッテが1敗でもすれば、オリックスの優勝が決まる。
中嶋オリックスのレギュラーシーズン最終戦のマウンドに、背番号「18」が最後まで立ち続けた。山本が楽天を散発の4安打に抑え、今季4度目の完封勝利。田中将とのエース対決を制して球団新記録の自身15連勝で18勝目を挙げ、25年ぶりの優勝への可能性を広げた。
「とにかく勝つことだけを考えて思い切り腕を振りました。(田中将さんと)最後に投げ合えると思ってなかったので試合前からすごくワクワクしていました」
東京五輪でともに戦った右腕同士が白熱の投手戦を繰り広げた。元メジャーリーガーに負けじと、山本も最速155キロ直球を軸に立ち上がりから飛ばした。一回先頭の山崎剛から空振り三振を奪い、球団では2013年の金子(現日本ハム)以来となる200奪三振に到達。三塁を踏ませず、魂の122球でスコアボードに「0」を並べた。
最終戦を終えてファンにあいさつするオリックスナイン。あとはロッテの残り3試合の結果を待つだけとなった今季は自身初の開幕投手を務め、フル回転した。26試合に登板し、18勝(5敗)で最多勝。防御率1・39で、2年ぶり2度目となる最優秀防御率も確定した。さらに最多奪三振(206)、勝率第1位投手賞(・783)、4完封もリーグトップ。2006年の斉藤和巳(ソフトバンク)以来、史上8人目となる〝投手5冠〟も決定的だ。
中嶋監督は「数字が物語るようにすごく安定している」と絶賛し、右腕は「色んな方にサポートしてもらったので、自分の実力以上の成績だと思います。感謝の言葉を伝えたい」と頭を下げた。
ロッテがソフトバンクに敗れたことで、オリックスに優勝への隠れマジックナンバー「1」が点灯した。最短で、ロッテが次戦27日の楽天戦(楽天生命パーク)で敗れれば、その瞬間、オリックスの25年ぶりのリーグ優勝が決まる。ロッテは残り3連勝か2勝1分けでないと優勝を逃がす状況となった。
「相手の結果待ちにはなってしまったんですけど、信じて待とうと思います」と山本。やれることはやった。激動のシーズンを送ったエースは悲願達成を信じ、次なる戦いに備える。(西垣戸理大)