10勝目を挙げた伊藤将。先発2桁勝利で〝江夏超え〟を達成した(撮影・水島啓輔) (セ・リーグ、広島2-7阪神、25回戦、12勝12敗1分け、24日、マツダ)虎のレジェンドに並び、そして超えた。自身にとって今季最後となるマウンド、そして逆転優勝への超重要な一戦。阪神・伊藤将はいつも通りの落ち着いた〝大人〟の投球で、目標だった10勝目をつかんだ。
「ランナーを出しても最少失点に抑えられたのはよかった。2桁勝利を目標にしてやってきて、それが実際に結果に残ったのはよかったと思う」
絶対にチームを勝たせる、という気概がポーカーフェースからもにじみ出ていた。「自分のスタイルを崩さずに投げることを意識した」。同期の佐藤輝の一発で3点の援護をもらった直後の二回だ。坂倉に甘く入った球を右翼席に運ばれて1点を献上。その後、安打と申告敬遠で2死一、二塁とピンチは続いたが、九里を渾身の直球で空振り三振に仕留めて嫌な流れを断ち切った。
1967年の1年目に12勝した江夏豊5回⅔を投げ、4安打1失点で10勝目。1950年の2リーグ分立後、球団新人左腕の2桁勝利は1967年の江夏豊以来、2人目の快挙だ。ただ、このとき江夏は12勝のうち先発で9勝。伊藤将はすべて先発での2桁勝利で、通算206勝&196セーブのレジェンド超えとなった。
刺激し、競い合えるライバルがいるから今がある。千葉・横芝中時代は軟式野球部に所属し、1年時から120キロを計測する剛腕として有名だった。内野への送球では、速すぎる球に味方が反応できず、額に直撃させてしまったこともある。指が痛くなるからという理由で、伊藤将の投球を受けたがる捕手がいないほどの力を持っていた。
今年、楽天にドラフト1位で入団した同郷の早川は同部の2学年下。監督として2人を指導した八巻隆介さん(49)は「当時は将司の方が早川よりも圧倒的にすごい選手だった」と語る。伊藤将はプロ入りが決まった昨年末には恩師のもとを訪れ「早川には絶対負けません」と宣言。負けん気の強さが最大の武器だ。
「あともう少しなので優勝できるように頑張っていきたい」
ここで終わりではない。チームはセ界の頂点に立つ可能性を残し、クライマックスシリーズ(CS)もある。2桁勝利投手の誇りを胸に突き進んでいく。(織原祥平)
【終了】◇開始14時00分◇甲子園
| チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
|---|
| DeNA | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 8 |
| 阪神 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | 5 |
[勝敗]勝: 馬場 皐輔 (2勝0敗)、S: ショーン レイノルズ (3勝0敗3S)、敗: 工藤 泰成 (0勝1敗)
【DeNA】東 克樹、吉野 光樹、浜地 真澄、中川 虎大、馬場 皐輔、ショーン レイノルズ-古市 尊、松尾 汐恩
【阪神】大竹 耕太郎、神宮 僚介、木下 里都、工藤 泰成、ラファエル ドリス-伏見 寅威
[本塁打]森下 翔太 2号 (神)、成瀬 脩人 1号 (De)
番記者