2021.3.24 12:00

【ズームアップアスリート】伊達公子さん、“第2の大坂なおみ”育成へ

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伊達公子さん、“第2の大坂なおみ”育成へ

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記者コラム
ジュニア選手を指導する伊達公子さん(左)

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 テニスの女子ジュニア育成を目的に、元テニスプレーヤーの伊達公子さん(50)が、ヨネックスとともに2019年に立ち上げた「伊達公子×ヨネックスプロジェクト」の第1期生が、2月に全8回のプログラムを修了した。日本女子で初めて世界ランキング10位以内に入ったレジェンドが、“第2の大坂なおみ”育成へ、日本選手が世界と戦うために大切な精神を明かした。

 軽快にステップし、ラケットを振り抜く姿は、現役時代さながら。伊達さんが自ら手本を示すと、“金のたまご”たちは目を輝かせ、食い入るようにそのプレーを見つめる。自然に伊達さんの指導にも熱がこもった。

 「せっかく同じ時間を過ごすので、インパクトに残る瞬間を、できるだけ多く作りたい」

 テニスの四大大会を目指すジュニア選手の育成を目的に立ち上がった「伊達公子×ヨネックスプロジェクト」。1期生が2021年2月、約1年10カ月のプログラムを終え、“卒業”した。対象は15歳以下で、人数は4人と少数精鋭。「一人一人と濃厚な時間を」との伊達さんの要望で、練習では90分ずつ、マンツーマンで指導する時間が取られた。

 四大大会では全豪、全仏、ウィンブルドンと3大会で4強入り。元世界4位のレジェンドの言葉はジュニア選手の心に刺さった。

 『試合をもっと楽しんだ方がいい』

 「世界で活躍してきた伊達さんに言われると『楽しんでいいんだ』と気が楽になった」と参加メンバー最年長16歳で、プロ転向を決めた奥脇莉音(埼玉・秀明英光高)が声を声を弾ませた。

 伊達さんが楽しむ大切さを伝えたのには意味がある。「この先、世界に挑戦すると、楽しいだけではいかない。根底に『楽しい』を持っていないと、つらいだけで終わってしまう。世代によって必要なことは変わる。いまは好きだっていう気持ちを作り上げておかないと」。爆発的なパワーの欧米選手たちに圧倒された自身の経験が、今回の助言につながった。

 4月下旬には2期生のオーディションが始まる。対象は17歳以下に変更され、参加人数は8人に拡大する。「全てを世界基準にやっていきたい」。日本女子テニス界の発展へ、培ってきた経験を次世代につなぐ。(武田千怜)

 世界へ挑戦するために大切な精神は「世代によって変わってくる」と話す伊達さん。「楽しむ」の次のステップに掲げたのは「負けず嫌い精神」だ。「負けて悔しいと思う気持ちが成長につながる。プロの世界は究極の負けず嫌いの集まり。(四大大会を4度制した)大坂なおみちゃんもそこが強い。負けたくない気持ちが強いと、折れそうになっても最後につなぎとめてくれる」と強調した。