2021.2.28 21:00

マラソン鈴木健吾の日本新 谷口浩美氏は史上初の4分台に「あり得ないタイム」

マラソン鈴木健吾の日本新 谷口浩美氏は史上初の4分台に「あり得ないタイム」

2時間4分56秒の日本新記録を樹立して優勝し、笑顔を見せる鈴木健吾=大津市皇子山陸上競技場

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 2月28日に行われた「びわ湖毎日マラソン」で、鈴木健吾(25)=富士通=が、日本選手として初の2時間4分台となる2時間4分56秒の日本新記録を樹立して優勝した。1992年バルセロナ、96年アトランタ五輪代表の谷口浩美氏(60)は「びわ湖毎日は私も走った経験が、あり得ないタイム」と分析した。

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 気象条件が良かった点を差し引いても、鈴木が出した日本勢初の2時間4分台はものすごい。びわ湖毎日は私も走った経験があるが、あり得ないタイムだ。これが最後の滋賀県開催となるのは、あまりにもったいない。

 鈴木は36キロすぎの給水所でボトルを取り損ねた。失敗を生かし、後続が給水に時間をかけるタイミングで仕掛けた。振り返れば2019年の東京五輪代表選考レースでも、給水地点をすぎた37キロ付近でペースを上げて一時先頭に立った。

 勝負勘の鋭さは天性のもの。神奈川大3年時の箱根駅伝では2区終盤で段階的にスパートをかけ、区間賞に輝いた。今回は35キロからの5キロを驚異の14分39秒で駆け抜けた。海外勢でも簡単に出せるタイムではない。

 日本ではプロランナーの大迫傑らがSNSやアプリを使って練習状況を発信している昨今。いわば選手にとって、世界にあふれる情報が自身の監督のようなもの。トップレベルと内容を比較しながら練習に打ち込むことができ、少しずつ世界との距離を縮めている。

 私の現役時代は失敗の尾を引くランナーが多かった印象だが、現代の選手は情報を活用しながら気持ちの切り替えを行っているようにも見える。そんな時代の流れに乗れるかどうかも、世界に立ち向かう上で大切ではないか。