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東京パラ開幕まで半年!!「きずな」で駆ける道下、チームで駆ける「金の道」/マラソン視覚障害女子

東京パラ開幕まで半年!!「きずな」で駆ける道下、チームで駆ける「金の道」/マラソン視覚障害女子

  • コロナ禍でマスクをつけたまま練習に励む道下美里(左)と河口恵さん(三井住友海上提供)
  • 東京パラリンピックで金メダル獲得を狙うブラインドマラソンの道下美里選手(右)と河口恵さん(三井住友海上提供)
  • 道下美里(前列中央)を支える河口恵さん(前列の左から2番目)らチーム道下の皆さん(三井住友海上提供)

 東京パラリンピックの開幕まで、24日で半年。競技の魅力などを紹介する月イチ特集の第35回は、マラソン視覚障害女子で東京パラリンピック代表の道下美里(44)=三井住友海上=に迫る。昨年12月の防府読売マラソンで、自らが持つ世界記録を9秒更新する2時間54分13秒で4連覇を達成。進化を続ける44歳がサンケイスポーツの取材に応じ、仲間とともに金メダルに挑むことを誓った。(武田千怜)

■「命綱」頼りに

 青空の下、歩調を合わせて前進する。はつらつとした笑顔がトレードマークの道下は、伴走者の河口恵さん(25)と一緒に練習拠点の福岡市・大濠公園で汗を流す。半年後に迫った東京パラリンピックへ、仲間の存在がパワーの源だ。

 「支えてくれる仲間がいるとぶれずにやっていける。仲間が喜んでくれる金メダルを取りたい」

 視覚障害の道下は一人で走ることができない。そのため、目の代わりとなる伴走者のサポートを受ける。「きずな」と呼ばれる伴走ロープを互いに握り、一緒にゴールを目指す。三井住友海上で働く河口さんとは週に3~5日練習する。これは道下を支える複数いる伴走者の中で最も多い。しかし、一時は一緒に練習できない時期もあった。

■山奥で日の出とともに練習

 新型コロナウイルス感染防止のため、1回目の緊急事態宣言が出された昨年4月上旬からの約1カ月間、練習で会う伴走者を一人に制限した。送迎や仕事との兼ね合いから、銀メダルだった2016年リオデジャネイロ大会でともに走った堀内規生(のりたか)さんに限定。猿が出るような人の少ない山奥で、日の出とともに練習を開始し、週に4回、約20キロ走った。

 会えない期間も、道下は「師匠」と呼ぶ元実業団選手で経験豊富な河口さんに連絡。練習内容などを伝えた。報告を受けた河口さんは「(伴走者は)選手より走力がないといけない。再会したときに全力で支えられるように準備しよう」と自主練習に励んだ。隣で練習ができなくても「きずな」はつながっていた。

■コロナ禍乗り越えリスタート

 東京大会へリスタート。河口さんとの練習再開後は、今まで以上に質にこだわった。その日のテーマや目標タイムを練習前に伝え、気持ちも一致団結した。努力の成果は結果として表れ、昨年12月の防府読売マラソンで自らが持つ世界記録を9秒更新。2時間54分13秒で、同年2月の別府大分毎日マラソンに続き、1年間に2度、世界新記録をたたき出した。

 道下は「仲間の協力があってコロナ禍でも成長できた」と感謝。河口さんは「(道下は)筋トレは千単位でやる。止めないとやりすぎちゃう。すごく努力する。一緒に挑戦したい、ついていかせてください、と思える人」とたたえた。

■「立ち止まらずに」

 東京パラリンピック開幕まで半年。コロナ禍で大会開催を危ぶむ声も上がるが、道下は「希望を持ってやり続けたら、必ず何年後かに笑えるときがくる。そういう経験をしてきた。立ち止まらずに進んでいきたい」と信念を貫く。21年9月5日。笑顔で国立競技場のフィニッシュテープを切る自らの姿を思い描く。「仲間がいるから強くいられる」。道下が支えてくれる仲間とともに金メダルロードを突き進む。

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