2021.1.22 20:59

正代、冷や冷や2敗死守「なんとか勝てた」/初場所

正代、冷や冷や2敗死守「なんとか勝てた」/初場所

物言いがつく一番ながら2敗を守った正代=両国国技館(撮影・尾崎修二)

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 首位の大関正代(29)は関脇隆の勝(26)を物言いのつく際どい内容ではたき込み、2敗を堅守した。平幕大栄翔(27)は、竜電(30)を押し出して11勝目。2人がトップを並走する。大関朝乃山(26)は隠岐の海(35)を上手投げで下し、関脇照ノ富士(29)とともに9勝目。2敗の正代、大栄翔を2差の4敗で朝乃山、照ノ富士、平幕逸ノ城(27)、琴ノ若(23)の4人が追う。

◆土俵際はたき込み

 俵に乗った右足一本。押し込まれ、土俵下へ落ちていく正代に残された一手は、指先に力を込めて残すことだけだった。立行司式守伊之助も迷い、まわし団扇(うちわ)で正代に軍配を上げたが、物言いがついた。

 「(引き技が)とっさに出てしまった。なんとか勝てたので、体の反応がいいのかな…」

 立ち合って押し込んだ。隆の勝を後退させながら、いきなり懐へ招き入れるようにはたき込む。直線的に下がった土俵際。相手の右手が一瞬早く土俵へついており、薄氷の白星で大栄翔とともに2敗を守った。一騎打ちの並走に「並んでいる力士(大栄翔)もいるので、(単独首位より)気は楽な方だと思う」と表情を緩めた。

 10日目の遠藤戦に次ぎ、11日目の隠岐の海との取組では2度の取り直しの末、相手の「勇み足」があって行司差し違えに。この4日間で4つの物言いを制し、「ついているような気もする」と、運も味方につけた。

 延期となった東京五輪は、23日で開幕まで半年となる。熊本・宇土市出身の正代は昨年、聖火リレーのランナーに選ばれた。自身が返上しなければ今年5月5日に、生まれ育った同市内を走る優先権を持っている。日程は昨年同様、5月の夏場所(9日初日、両国国技館)の4日前。場所直前で微妙な調整時期と重なるが、かねてから「みなさんに少しでも喜んでいただけるのなら、支障がないよう調整できれば」と前向きな意向を示している。

 残り2日。既に大栄翔との直接対決で敗れている正代は優勝決定戦まで見据えて、「あと3番取ってもいいように体のケアを徹底していく」。聖火ランナーとして地元のために一肌脱ぐ“男気”を、土俵でみせるときがきた。(奥村展也)

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