2021.1.14 12:00

【ズームアップアスリート】太田忍が総合格闘技デビュー ルーチン、スタイル、強気な発言は不変

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太田忍が総合格闘技デビュー ルーチン、スタイル、強気な発言は不変

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大晦日に総合格闘技デビューを果たした太田忍(右)。所英男に敗れたが、レスリングの五輪銀メダリストの新たな挑戦が始まった(2020年12月31日撮影)(C)RIZIN FF

大晦日に総合格闘技デビューを果たした太田忍(右)。所英男に敗れたが、レスリングの五輪銀メダリストの新たな挑戦が始まった(2020年12月31日撮影)(C)RIZIN FF【拡大】

 【格闘技こぼれ話】2016年リオデジャネイロ五輪銀メダル、世界選手権優勝、アジア大会優勝とレスリング界でエリート街道を歩んできた太田忍(27)が先日、総合格闘技デビューを果たした。新たな挑戦に期待がかかる。

 昨年大みそか、総合格闘技「RIZIN」の会場・さいたまスーパーアリーナ。太田は入場からリングに上がる際、力強い四股を披露した後に右手で拳を作って左胸にあてて気合を入れた。レスラー時代と変わらぬルーチンだった。

 試合は43歳の所英男に2回2分24秒、腕十字固めを食らって一本負け。洗礼を浴びる形となったが、攻撃的な姿勢は貫いた。レスリングの国際大会に出場した際、米国のコーチに素早い動きから「ニンジャ」と呼ばれたことがきっかけで「忍者レスラー」の異名がついた。百戦錬磨のベテランに対峙(たいじ)しても、スタイルは崩さなかった。

 自ら認める「目立ちたがり屋」で、注目が増すほど血が騒ぐ。格闘家にふさわしい強気な発言も魅力だ。印象的なのは銀メダルを獲得したリオ五輪の後、日体大の後輩で世界王者の文田健一郎(25)=ミキハウス=と繰り広げた3年間に及ぶ東京五輪日本代表争いだった。

 直接対決を制すれば「強さを証明できた」と胸を張り、敗れれば「今度は絶対に負けない」と“口撃”。感情を言葉に出す先輩に対し、文田は「(太田)忍先輩が悪役みたいに見えるので僕は好きじゃない。自分も同じように思っている」。後輩が感服するほどの勝負根性が光っていた。

 総合格闘技界でも、その姿勢は変わらない。太田は言った。「悔しい気持ちを持って上を目指す。伸びしろしかない」。次の「RIZIN」は3月14日(東京ドーム)。所との激闘で負傷した右肘を治して、“忍者格闘家”が再びリングに立つ。(石井文敏)