2020.12.4 12:00

【ベテラン記者コラム(78)】季節外れの競泳の日本選手権、24年前の全米選手権取材がよみがえった

【ベテラン記者コラム(78)】

季節外れの競泳の日本選手権、24年前の全米選手権取材がよみがえった

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(左から)2位の青木玲緒樹、優勝した渡部香生子、3位の鈴木聡美=3日、東京アクアティクスセンター(撮影・桐山弘太)

(左から)2位の青木玲緒樹、優勝した渡部香生子、3位の鈴木聡美=3日、東京アクアティクスセンター(撮影・桐山弘太)【拡大】

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 競泳の日本選手権が3日に東京五輪会場の東京アクアティクスセンターで開幕した。例年は4月上旬に行われる大会だが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施できず、12月に延期された。

 街行く人はコートやダウンを着込み、ジングルベルが鳴り響く時期に水泳大会とは、なんとも時季外れだが、今回ばかりはしかたない。そういえば…と、24年も前のことを思い出した。

 1996年3月6-12日に行われた競泳の全米選手権。開催地はインディアナ州のインディアナポリスだった。米国のアトランタ五輪代表選考会なので、もちろん日本選手は出ていないのに、昔はこんなのにも出張させてもらえたんですね。

 3月上旬のインディアナポリスは寒かった。北緯39度は日本だと岩手県の盛岡市くらい。雪が降っていた。道が白くなるほどの降りだった。東京から持っていった服装だと寒すぎるので、あわててセーターなどを買った。それなのに、会場のプールは当たり前だが暑くて湿気もすごい。水着の選手がいるんだから当然だ。会場に着くと今度は汗が垂れてくるので、すぐさま上着を脱いで記者席にはTシャツで座っていた。

 米国の競泳はレベルが高くて全種目で五輪参加標準記録Aを突破していたため、決勝の1、2位選手が自動的に五輪代表に決まる。最終日の最後の種目が終わるとすぐに「みなさん、米国のオリンピック・チームです!」とアナウンスがあり、出場権を獲得した選手たちが入場。そのまま五輪壮行イベントとなった。当時の水泳ニッポンはA標準を突破できない種目もあって米国のようにはいかなかっただけに、代表選考のゴタゴタがなくていいなと感じた。

 レベルの上がった今では日本水連が定めたハイレベルの派遣標準記録があり、日本選手権の一発選考で五輪代表が決まる。東京五輪は来年4月3日開幕の日本選手権が代表選考会。コンディションのピーキングが重要になるだけに今度こそ予定通りに、いつもの時期に大会が行われてほしい。

 ちなみに前述の競泳全米選手権取材の後はネバダ州ラスベガスに飛び、中3日でボクシングのマイク・タイソンの試合へ。タイソンがWBC世界ヘビー級王者フランク・ブルーノ(英国)を3回TKOで倒し、6年ぶりに世界王座を奪回したのを目撃した。砂漠の街ラスベガスは暑かった。インディアナポリスで買ったセーターをどうしたかは覚えていない。(牧慈)