2020.10.15 17:27(2/2ページ)

【TOKYO2020+1カウントダウン】柔道・原沢の原点「240段階段ダッシュ」東京五輪金へ駆け上がる

【TOKYO2020+1カウントダウン】

柔道・原沢の原点「240段階段ダッシュ」東京五輪金へ駆け上がる

原沢は少年時代、240段の階段で下半身を鍛えた(撮影・石井文敏)

原沢は少年時代、240段の階段で下半身を鍛えた(撮影・石井文敏)【拡大】

◆「自国開催の五輪、誇りを懸けて闘う」

 ニッポン柔道にとって、初めて実施された1964年東京五輪男子無差別級決勝(日本武道館)で、神永昭夫がアントン・ヘーシンク(オランダ)に敗戦した苦い過去がある。東京大会男子最重量級での五輪金メダル獲得は柔道発祥国の悲願だ。原沢は「自国開催の五輪で誇りを懸けて闘う」と覚悟を示した。

 「新しい技や組み手を覚えることができる。内股の入り方を増やし、柔道の幅をもっと広げられる。どんな環境でも今できることを頑張る」

 今月12日、昨年12月以来の国内合宿が再開。代表の原沢も参加し、来夏へ再スタートを切った。コロナ禍の今は帰省を控えるが、できる範囲で階段を見つけては駆け上がる。剣豪、宮本武蔵と佐々木小次郎が戦った巌流島を眺めることができる日和山公園。その頂上で少年時代に立てた夢を来夏、現実にする。


★物静かも「全力で向かってくる」

 原沢を少年時代に指導した山口・大西道場スポーツ少年団の石田充さんは「背が高くて体の線が細く、物静かな子。追い込む練習をしても全力で向かってくるところはすごかった」と振り返る。当時から組んで一本を取りにいくスタイルの確立を目指したという。来夏、東京五輪に出場する教え子に「頑張ってほしい」とエールを送った。

★柔道男子100キロ超級・世界の情勢

 原沢にとって強力なライバルがそろう。2016年リオデジャネイロ五輪100キロ超級決勝で原沢が敗れ、五輪2連覇を飾った“絶対王者”テディ・リネール(31)=フランス=を筆頭に、リオ五輪男子100キロ級金メダルのルカシュ・クルパレク(29)=チェコ、18年世界選手権優勝のグラム・ツシシビリ(25)=ジョージア=らがいる。2021年東京五輪の柔道は同7月24-31日に行われ、原沢が出場する男子100キロ超級は30日。会場は東京・千代田区の日本武道館。

原沢 久喜(はらさわ・ひさよし)

 1992(平成4)年7月3日生まれ、28歳。山口・下関市出身。6歳から大西道場スポーツ少年団で柔道を始める。下関市立文関小、日新中-早鞆(はやとも)高を経て2011年に日大入学。15年に卒業し、日本中央競馬会に所属。19年3月から百五銀行。全日本選手権は15、18年優勝、16年リオデジャネイロ五輪銀メダル。東京五輪代表。グランドスラムは通算5勝。得意技は内股。191センチ、124キロ。

  • コロナ禍でも、原沢は拠点近くの公園などで階段ダッシュを続けている(原沢のツイッターより)
  • 山口・日和山公園の頂上には高杉晋作像がある(撮影・石井文敏)
  • 2005年3月、山口・大西道場スポーツ少年団の卒団式で写真におさまる原沢。少年時代に強さの土台を築いた(大西道場スポーツ少年団提供)
  • 原沢はコロナ禍でも、継続してサポートを受ける森永製菓のトレーニング施設(東京・港区)で汗を流している(原沢のツイッターより)
  • 昨夏、日本武道館で開催された世界選手権で銀メダルを獲得した原沢。来夏の東京大会では日本柔道の威信をかけて畳に上がる