2020.10.10 12:30

【ネクストスター候補(24)】堀島行真、22年北京冬季五輪プレシーズンの目標「世界ランク1位」/モーグル

【ネクストスター候補(24)】

堀島行真、22年北京冬季五輪プレシーズンの目標「世界ランク1位」/モーグル

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オンラインで取材に応じたモーグル男子の堀島行真。自分の言葉で、2度目の冬季五輪に向けて決意を示した(6日撮影)

オンラインで取材に応じたモーグル男子の堀島行真。自分の言葉で、2度目の冬季五輪に向けて決意を示した(6日撮影)【拡大】

 フリースタイルスキー男子モーグルで、W杯2季連続世界ランキング2位の堀島行真(いくま、22)=トヨタ自動車=がサンケイスポーツの取材に応じ、2022年北京冬季五輪プレシーズンの目標に「世界ランク1位」を掲げた。W杯は12月に開幕。初の五輪だった18年平昌大会で11位に終わった悔しさをばねに成長を続ける若武者は世界ランク1位&22年北京五輪での金メダルへ、スピードに磨きをかける。(取材構成・石井文敏)

 新型コロナの影響で例年とは異なる夏。それでも十分に蓄えた。明るい表情が物語る。オンライン取材に応じた日本男子モーグル界を引っ張る堀島が、12月開幕のW杯へ決意の言葉を並べた。

 「自粛期間中に、何が必要かを考えることができた。スピードにもっと磨きがかかれば、世界ランキング1位も具体的に見えてくる」

 コロナ禍で拠点の岐阜県内での生活に制限された春先に、試合を振り返って徹底的に自己分析を行った。2017年世界選手権でモーグルとデュアルモーグル(非五輪種目)2冠を達成し、2季連続で世界ランク2位の男が導き出した答えはスピードの強化だった。

 「得点の内訳を見ると、スピードは20点満点中16点。エアは20点満点中18点。伸びしろはエアが2点、スピードは4点もある。伸ばすことでより多くの得点を稼げる」

 モーグルはターン、エア(空中技)、スピード(タイム)の合計点で争われる。採点の60%=60点を占めるターンの強化に注力したオフを過ごした年もあった。今はスピードの強化に可能性を見いだしている。持ち味のダイナミックなエアへの相乗効果を狙う。

 コロナ感染防止に努めながら、6月頃から雪上での練習を再開。岐阜と長野の県境にある乗鞍岳で、コブ斜面を作った。試合コース約半分の100メートルだが、「スタートからいかに最大速度まで上げていけるか」。スピードを強く意識して速くコブを駆け抜けた。雪の感覚をつかむため、屋内スキー場などにも通った。「(試合が)楽しみ」とうなずいた。

 22年北京五輪プレシーズンへ、気持ちが高まる。堀島は11月中旬頃にスウェーデンかフィンランに渡り、最終仕上げを行ってW杯に備える予定だ。18年平昌五輪金メダリストでW杯9連覇中の“絶対王者”、ミカエル・キングズベリー(28)=カナダ=ら世界のライバルとの戦いが再び始まる。

 「平昌の時は皆さんに盛り上げてもらった。北京の時も盛り上げてもらったら、それに応えたときはすごくいい結果になってくると思う」

 初の五輪だった平昌大会で11位に沈んだ悔しさは残っている。今年4月に社会人となり、トヨタ自動車に所属して自覚が増した。感謝と恩返しを胸に、未来のスターは伸びしろを信じて世界を制覇する。

 ●…22歳の堀島はインスタグラム(ikuma1211)で雪上練習や貴重なオフショットなどを発信している。最近は新しいことに挑戦することが多いといい、「記録として振り返ることもある」。フランス発祥の移動術トレーニング方法で、走りながら壁を登ったり障害物を跳んだりするスポーツ「パルクール」に興味を持っており、カメラを身に着けての撮影も今後の目標に掲げる。「街中で自分が動いて伝えることができるので、極めたい」と勝負師の目をぎらつかせた。

【一問一答】

 --コロナ禍で自粛生活が続く中、どのような過ごし方をしているか

 「トランポリンがある場所で感覚を忘れないようにしている。スノーヴァ羽島という室内スキー場でも練習している」

 --コロナ対策は

 「夏場は人と会うときにも気にしていた。少しやりづらさはあったけど、最近は慣れてきた。しっかりと手洗い、うがい、マスク着用など感染予防をしている。それがスタンダードになってきているかな」

 --今年4月、所属がトヨタ自動車に。社会人になって変化は

 「環境も良く、取り組むことができている。世界ランキング1位など結果を残せば、サポートしてよかったという証明にもなる。繰り返しになるけど結果を出したい」

 --2018年平昌冬季五輪モーグル男子銅メダリストで、現在は競輪で活躍する原大智(23)の存在は

 「刺激になっている。(陸トレで原が)競輪で出している記録を参考にしながら、トレーニングをしている。(原のタイムは)すごい」

 --冬季のオリンピアンとして、来夏に延期された東京夏季五輪への思いは

 「延期が決まった(今年3月)ときは驚いた。ずっと続いてきた五輪。先が読めない時代になり、歴史が変わる決断は衝撃的だった。でも、IOC(世界オリンピック委員会)のバッハさん(会長)が『必ずやります』と言っているのは心強いと思う」

■堀島 行真(ほりしま・いくま)1997(平成9)年12月11日生まれ、22歳。岐阜・池田町出身。小学4年の夏、体操経験者の父・行訓さんとウオータージャンプ場に通い本格的にモーグルを始める。池田中-岐阜第一高-中京大スポーツ科学部を経て今年4月からトヨタ自動車所属。2017年世界選手権モーグルとデュアルモーグル(非五輪種目)で2冠。18年平昌五輪は11位。W杯は2季連続2位。170センチ、66キロ。