2020.9.1 18:56

「こいつらのために生きて帰るんだと」引退・八重樫東 3階級制覇への原動力/BOX

「こいつらのために生きて帰るんだと」引退・八重樫東 3階級制覇への原動力/BOX

引退を表明した八重樫東(大橋ジム提供)

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 プロボクシングで世界3階級制覇した八重樫東(37)=大橋=が1日、オンラインで記者会見を開き、現役引退を表明した。同ジムの大橋秀行会長(55)からの引退勧告を受け入れた。今後は同ジムでトレーナーを務めながら、解説者、パーソナルトレーナー、飲食店の経営、タレントと幅広く活動する。

◆3人の子供たちに感謝

 2004年9月1日に大橋ジムへ入門した八重樫が16年後のこの日、現役引退を表明した。

 「決して体力の限界を感じたわけではないが、自分一人で現役を続けることはできない。(大橋)会長に『もういいんじゃないか』と言われてその言葉を受け入れた」

 19年12月にIBF世界フライ級王者に挑戦して敗れたのが最後の試合となった。試合後は進退について明言を避けていたが、大橋会長から八重樫の誕生日の2月25日に引退勧告を受けていた。

 会見では笑顔を交えながら質問に答えていたが、3人の子供へ感謝を伝えているときにはこみ上げるものがあった。「あいつらがいなかったら世界王者になれていなかった。こいつらのために生きて帰るんだと思って命を懸けて試合をした」。

◆「第2の八重樫」育成へ

 “激闘王”の愛称の通り、数々の名勝負を演じてきた。一番印象に残る試合に、当時軽量級最強だった14年9月のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)戦(9回TKO負け)を挙げた。

 今後は大橋ジムのトレーナーを中心に幅広く活動する。「自分の知識や経験を出していけたら」。記録にも記憶にも残るボクサーの第2の“激闘”が始まった。(尾崎陽介)

八重樫 東(やえがし・あきら)

1983(昭和58)年2月25日生まれ、37歳。岩手・北上市出身。岩手・黒沢尻工高時代にインターハイで、拓大時代に国体で優勝。2005年3月にプロデビューし、11年10月にWBA世界ミニマム級、13年4月にWBC世界フライ級、15年12月にIBF世界ライトフライ級王座を獲得した。プロ戦績は35戦28勝(16KO)7敗。右ボクサーファイター。家族は妻の彩さんと長男の圭太郎くん、長女の志のぶちゃん、次女の一永(ひとえ)ちゃん。160センチ。

  • 2014年の八重樫対ローマン・ゴンサレス