2020.5.23 10:00

【選手はいま何を思う】坂井丞、ステイホームで取り戻した自分

【選手はいま何を思う】

坂井丞、ステイホームで取り戻した自分

特集:
選手はいま何を思う
坂井は自宅で主にウエートトレーニングに励む(本人提供)

坂井は自宅で主にウエートトレーニングに励む(本人提供)【拡大】

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、来夏に延期された東京五輪を目指すアスリートに迫る不定期連載。第12回は、男子シンクロ板飛び込みで東京五輪代表に内定する坂井丞(しょう、27)=ミキハウス=が登場する。練習が限られる中、食事を一日2食に減らして体重管理に努めるなど、現状を書面でのインタビューで明かした。(取材構成・角かずみ)

 五輪の延期を、坂井はプラスに変える。2月の代表選考会。板飛び込みで3位に沈み、個人種目での五輪出場が絶たれた。五輪に5度出場した寺内健(39)=ミキハウス=とのシンクロ板飛び込みで東京五輪代表に内定していたものの、気持ちは沈んだ。

 「2月の試合は精神的に目いっぱいだった。体を動かそうとすると(持病の)じんましんがでるなど、試合に向けて自分の思う調整ができなかった。世代交代というよりも、自分はこれ以上強くなれないかもしれないと感じた」

 暗い気持ちを変えたのが、外出自粛でできた想定外の時間だった。練習に明け暮れていたこれまでとは異なり、自宅で自由な時間ができた。

 「最近は練習ができない状況で、じっくりと自分を見つめ直すことで、あのとき自分を追い込みすぎて空回りしていたことが浮き彫りになってきました」

 飛び込みが練習できる環境は限られているため、今はプールに入ることができない状況が続く。そのため自宅でのトレーニングに終始。体重の増減が飛ぶ際の体の感覚に影響するため、食事面も工夫している。

 「食事はいつもよりは量を減らしています。白米を少なくして、なるべくおかずを食べるようにしています。一日2食です」

 飛び込みで東京五輪代表に内定していた選手は坂井を含め4人。日本水連は未発表の国際水連の方針を待って代表権の扱いをどうするか協議する。不透明な状況が続くが、コンビを組む寺内との連絡をまめに取る。

 「今は五輪よりもウイルスを人に移さない、移らないことを徹底して、落ち着いたら次に向けて頑張ろうと話をしました」

 坂井は延期を悲観することなく、生まれた時間をエネルギーにする。

坂井 丞(さかい・しょう)

1992(平成4)年8月22日生まれ、27歳。神奈川・相模原市出身。小学4年時に全国大会初優勝。麻布大学付属渕野辺高時は高校総体の3メートル板飛び込み、高飛び込みの両種目で3連覇。2016年リオデジャネイロ五輪男子板飛び込み22位。171センチ、61キロ。

  • 長男と一緒にトレーニングする坂井(本人提供)