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【リスタート・東京五輪】モスクワ五輪「幻の代表」陸上短距離・豊田敏夫さん、選手にエール

【リスタート・東京五輪】

モスクワ五輪「幻の代表」陸上短距離・豊田敏夫さん、選手にエール

特集:
リスタート・東京五輪
東京都内で取材に応じた豊田さん。苦い過去を振り返りつつ、現役選手にエールを送った(撮影・長尾みなみ)

東京都内で取材に応じた豊田さん。苦い過去を振り返りつつ、現役選手にエールを送った(撮影・長尾みなみ)【拡大】

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、来夏に延期された東京五輪に関連する事象を取り上げる新連載「リスタート・東京五輪」(随時掲載)がスタート。元陸上男子短距離で1980年モスクワ五輪に出場できなかった「幻の代表」の豊田敏夫さん(63)が、現役選手を励ました。日本選手権で2度の短距離2冠を誇った韋駄天は31歳で引退後、会社員に転身し営業職を全う。どんな経験も糧になると説いた。 (取材構成・鈴木智紘)

 その日は24歳の誕生日だった。1980年7月19日に行われたモスクワ五輪の開会式。豊田さんは福岡の新日鉄八幡寮でブラウン管越しに見つめた。

 「みんなから祝ってもらう日が開会式だと思っていたんだけど…。受け入れるしかなかったね」

 日本がボイコットを決めた5月24日は、八幡で合宿中だった。失望感はあったが、覚悟もしていた。数カ月前から国勢が不参加に傾いていると捉えていたからだ。実はマラソンを除く陸上の代表選考会が開かれたのは、失意の1週間ほど後だった。形ばかりのレースで100メートルと200メートルを制し、「幻の代表」に名を連ねた。

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  • 豊田さんが現役時代の晩年に履いていたスパイク。職人の三村氏が手掛けた