2020.3.26 10:00

【大関朝乃山(下)】抜群の安定感に高評価 相撲新時代の旗手に

【大関朝乃山(下)】

抜群の安定感に高評価 相撲新時代の旗手に

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で史上初の無観客開催となった春場所で11勝を挙げ、「新大関朝乃山」がついに誕生した。右を差し、左上手を引けば188センチ、177キロの体格と相まって圧力は十分。得意の右四つの型の成熟ぶりは、4場所連続2桁勝利中という安定感に表れている。

 審判部の境川部長代行(元小結両国)も「馬力、安定感があり、崩れるタイプじゃない。押し相撲と違って、“波”が平均しているからね」と評した。くしくも押し相撲の大関貴景勝は、今場所中は膝の不安を抱えて負け越し、来場所を2度目のかど番で迎える。

 大関在位5場所で勝ち越し2度、そのうち11勝が最高成績と“波”は大きい。新大関も春場所で横綱戦に連敗を喫し「まだまだ課題はたくさんありますし、横綱に勝てるようにならないと上の番付は目指せない」と課題は自覚する。

 それでも、鶴竜戦では右四つから攻め込み、最後は物言いがつく際どい勝負で白星まであと一歩に迫った。稽古を重ね、朝乃山が2横綱と優勝争いを繰り広げる構図はそのまま世代交代のうねりに直結していく。

 平成30年春場所で三役以上の力士の平均年齢は29・2歳、同31年春場所は29・6歳となったが、今場所は28・8歳と1歳近く若返った。「1年前から世代交代という状況が続いている。若いのが出てきているし、活性化すれば」と境川親方。

 23歳の貴景勝は爆発力を備え、優勝2度の御嶽海は27歳、三役で初の勝ち越しを決めた正代は28歳とまだまだ伸び盛り。だが、勢いでは26歳の朝乃山が頭一つ抜けた印象だ。静寂の土俵で大関昇進を成し遂げ、次代の旗手に名乗りを上げた。 (大相撲取材班、おわり)