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【TOKYO2020カウントダウン】一山、受け継ぐ“円谷イズム”「コツコツ積み重ねが大事」

【TOKYO2020カウントダウン】

一山、受け継ぐ“円谷イズム”「コツコツ積み重ねが大事」

特集:
東京五輪競技ニュース
円谷幸吉メモリアルホールで、円谷さんの写真を背景に東京五輪での快走を誓う日本代表と補欠の選手たち (日本陸連提供)

円谷幸吉メモリアルホールで、円谷さんの写真を背景に東京五輪での快走を誓う日本代表と補欠の選手たち (日本陸連提供)【拡大】

 男女マラソンの東京五輪日本代表が12日、福島・郡山市で会見を開いた。会見前には、1964年東京五輪のマラソンで銅メダルを獲得した円谷幸吉さんの墓参りに訪れた。8日の名古屋ウィメンズで代表入りを決めた女子の一山(いちやま)麻緒(22)=ワコール=は、“円谷イズム”を受け継ぎ自国開催の祭典で飛躍することを誓った。

 偉大な先人から学ぶ。一山は56年前の東京五輪で銅メダルを獲得した円谷さんが当時記録していた練習ノートを見て、奮い立った。

 「コツコツと積み重ねることが大事だと改めて感じた。(海外勢と)勝負できる力を身につけるために、コツコツ頑張りたい」

 標高1600メートルの高地で、4分間の休憩を挟みながら5キロ×8本。最初の6本は設定タイム17分で走り、最後の2本は設定を16分台に上げるなど所属先の永山忠幸監督(60)が課す「鬼メニュー」をこなしてきた。最後の最後に代表切符をつかんだ東京五輪のヒロイン候補が、前回東京五輪のヒーローに感化された。

 福島・須賀川市の円谷幸吉メモリアルホールに、円谷さんの練習ノートのコピーがあった。年間目標と月ごとに達成すべき目標、テーマが細かく記載。持続走90分(50分はゴルフコース、40分は郊外)、大股跳び30メートル×10本など日々こなしたメニューも毎日メモ。1週ごとに振り返りが記入されていた。

 一山は「(円谷さんのことは)あまり知らなかった」。自国開催の大舞台で、自己ベストで銅メダルをつかんだ偉大な先輩の努力を目のあたりにして、「日本代表になって終わりではない。どんなに揺さぶられても、落ち着いて対応できる持久力をつけたい」と闘志を燃やした。

 今回の墓参とメモリアルホール訪問は、日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(63)の「われわれの心には円谷さんの走りがある。それを若い人に伝えたい。円谷さんの力をもらいたい」との思いで実現した。選手にその思いは伝わった。

 女子マラソンは8月8日午前7時に号砲が鳴る。「復興」を理念に掲げる東京五輪に向けて、3月11日に福島に集合した代表選手たち。一山は「見ている方に感動を与える走りをしたい。(女子代表の)3人で日本をアピールする」。“円谷イズム”を引き継ぎ、日本チームが一丸となって戦う。 (武田千怜)

【続きを読む】

  • 選手たちは円谷さんの墓前で決意を新たにした(日本陸連提供)
  • 名古屋ウィメンズマラソン2020で優勝した山麻緒=3月8日、ナゴヤドーム(鳥越瑞絵撮影)
  • 東京オリンピックのマラソンで銅メダルを獲得した円谷幸吉さん=1964年10月21日
  • 円谷幸吉さんの練習ノート(福島・須賀川市所有)
  • 円谷幸吉さんの練習ノート表紙(福島・須賀川市所有)
  • 会見する(左から)小原怜、鈴木亜由子、前田穂南、一山麻緒、松田瑞生=福島県郡山市(撮影・桐原正道)
  • フォトセッションに応じる(左から)小原怜、鈴木亜由子、前田穂南、一山麻緒、松田瑞生=福島県郡山市(撮影・桐原正道)
  • フォトセッションに応じる(前列左から)大塚祥平、服部勇馬、橋本崚(後列左から)小原怜、鈴木亜由子、前田穂南、一山麻緒、松田瑞生=福島県郡山市(撮影・桐原正道)
  • 前田穂南
  • 記者会見するマラソン女子代表の鈴木亜由子=12日、福島県郡山市
  • 会見に臨む服部勇馬=福島県郡山市(撮影・桐原正道)
  • マラソン女子代表を目前で逃して補欠となり、記者会見で涙を流す松田瑞生=12日、福島県郡山市