2020.3.10 05:00

【マラソン 8月の札幌へ】停滞していた“お家芸”活性化

【マラソン 8月の札幌へ】

停滞していた“お家芸”活性化

 東京五輪のマラソン代表男女6人が出そろった。多士済々の布陣で8月、札幌でのレースに挑む。日本陸連が2017年から導入した選考の新方式の成果と、本番の展望を3回に分けて送る。

 日本陸連の瀬古利彦マラソン戦略プロジェクトリーダーは最終選考会を終えた8日、「本当に強い選手を選ぶ仕組みになった」と自負をにじませた。日本記録更新に1億円を贈る日本実業団連合の報奨制度と相まって、停滞していたお家芸は活性化された。

 特に男子はレベルが底上げされた。02年から止まっていた日本記録を、16年リオデジャネイロ五輪後にトラックから転向した設楽悠太(ホンダ)と大迫傑(ナイキ)が過去2年あまりで計3度更新し、大迫が代表入り。日本歴代10傑のうち6つが18年以降の記録だ。

 女子は選手層こそ薄いが、代表入りのタイムが設定された最終1枠の選考で力走が続いた。最終的に一山麻緒(ワコール)が日本歴代4位の2時間20分29秒をマーク。曖昧な基準による選考で論議を呼んだ過去の例と比較すれば、透明化による切磋琢磨の効果は明らかだ。「目標設定が明確になり、選手や監督のやる気をもたらした」と瀬古氏。記録に果敢に挑む姿に、ファンの関心も高まった。

 複数レースで実績を残した「強い」2人を、昨年9月の代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で選出。最後の1枠は「速い」選手が埋めた。「(代表に)来るべき人が来た」と女子担当の山下佐知子五輪強化コーチ。練られた選考レースを勝ち抜いた6人への期待は大きい。