2020.1.21 21:13

“ダークホース”徳勝龍、幕尻から最大の下克上で恩返し/初場所

“ダークホース”徳勝龍、幕尻から最大の下克上で恩返し/初場所

千代丸を突き落とす徳勝龍=両国国技館(撮影・福島範和)

千代丸を突き落とす徳勝龍=両国国技館(撮影・福島範和)【拡大】

 大相撲初場所(両国国技館)10日目の21日、西前頭17枚目の徳勝龍(33)が千代丸(28)に突き落としで勝利し、9勝目をあげた。“ダークホース”が正代(28)と並び、堂々の首位に立っている。

 劣勢をはね返す教え子の姿に、天国の恩師も目を細めたに違いない。徳勝龍は千代丸に押し込まれたが、左にまわって勝機を探った。「余裕がなかった。あまり、相撲(内容)を覚えていない」と必死の右からの突き落としに、相手は勢いそのまま土俵下へ吹っ飛んでいった。

 18日未明。母校の近大相撲部監督、伊東勝人さんが急死。悲しみを抱えながら、土俵にあがっている。しこ名の「勝」の字は恩師からもらった。プロ入り後も勝ち越したときは、一番に伊東監督に電話をかけた。

 「声が聞けないのは、さみしいですね…」

 プロ入りへの道も切り開いてくれた。明徳義塾高相撲部から実業団への進路を考えていたが、真っ先に声をかけられた。「成績も伸ばしていなかったのに。うれしかった」としみじみ。近大相撲部で鍛えてもらったから、いまがある。

 遺族の意向で非公表となっている葬儀・告別式には供花を送る。「変な相撲をとったら、笑われそうな気がして。やらなきゃアカンって感じです。監督の分までとか偉そうなことはいえないけど、どこかでみてくれていると思います」と徳勝龍。幕尻から最大の下克上で、恩返しを果たしてみせる。