2020.1.1 20:00

新国立競技場“お披露目”も不満の声多数 「席や階段が狭い」「ゲートで応援席が分断されている」

新国立競技場“お披露目”も不満の声多数 「席や階段が狭い」「ゲートで応援席が分断されている」

国立競技場で行われたサッカーの天皇杯決勝=国立競技場(撮影・佐藤徳昭)

国立競技場で行われたサッカーの天皇杯決勝=国立競技場(撮影・佐藤徳昭)【拡大】

 2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる国立競技場(東京・新宿区)で1日、サッカーの第99回天皇杯決勝が行われ観客5万7597人が訪れた。完成後最初のスポーツイベントとして開催されたが、観客からはスタジアムへの不満の声も多く上がった。

 特に多かったのは客席に対する意見だ。

 「1列が20席以上あるのに、席の前後の間隔が狭くて人が通るときに立たないといけない」「階段や、コンコースから客席までの通路が狭い」というように、席を離れる際の不便さや災害時に安全に避難できるのかが心配された。その他にも「座席に何列目かが書かれていなくてわかりづらい」「目印が少なくて待ち合わせがしづらい」と初めて訪れる人にとっては収容人数6万人を誇る大型の場内に戸惑いを感じる場面もあったようだ。

 また鹿島サポーター側のゴール裏には大きいゲートがあり、応援席が中央で分断されていた。サポーターが一体となって応援する醍醐味が薄れるだけに「サッカー場としては厳しいのでは」という声もあった。

 敷地内は全面禁煙のため喫煙所が設置されておらず、近隣の神宮球場の喫煙所へ向かったという観客もいた。時代の流れを考えると適切な取り組みなのだろうが、喫煙者にとっては観戦時にフラストレーションが溜まる要因になるかもしれない。

 「携帯の電波が悪い」という意見もあったが、場内には無料で使えるWi-Fiが備わっており、入場者にはチラシを配布し告知がされていた。利用者は「スピードが速くて快適」と感心した様子だった。またこの日は、接続方法の説明を行うスタッフも場内に10人ほど用意されており対策が施された。

 一方で好意的な印象を持った観客の意見には「席に傾斜があるので上の階でも見やすかった」「声援が響いて臨場感がある」「売店のフードメニューが豊富」「近隣に駅が多いのでアクセスしやすい」という声があった。

 試合後、東京2020組織委員会の森泰夫大会運営局次長は「こうした大切な試合を、五輪に向けたテストイベントとして開催できたことは本当に意義がある」と話した。初めてのスポーツイベントでの運用で、観客の動きや設備の確認などの視察、情報収集にも人員を割いており「課題を持って運営計画に反映していきたい」と観客からの意見に解決方法を模索する考えを示した。

 国立競技場では今後も11日にラグビー大学選手権の決勝、5月15、16日には嵐のコンサートが開催されるなど、様々なイベントが予定されている。浮き彫りになった課題にどう取り組むかが注目される。