2019.12.17 05:01

【記者の目】五輪「金」は個人の権利を制限してまで狙うべきものか…

【記者の目】

五輪「金」は個人の権利を制限してまで狙うべきものか…

今年10月の世界選手権でアンカーを務めたサニブラウン(左)。右は3走の桐生

今年10月の世界選手権でアンカーを務めたサニブラウン(左)。右は3走の桐生【拡大】

 日本陸連は16日、東京都内で理事会を開き、2020年東京五輪の100メートル、200メートル代表選考基準について個人種目は原則1種目のみで選考する要項を提案した。金メダルを目指す男子400メートルリレーのメンバーの負担軽減が目的で、来年3月までに結論を出す方針。

 五輪の金メダルには何ものにも代えがたい価値があるが、個人の権利を制限してまで狙うべきものだろうか。

 日本陸連は男子400メートルリレーを金メダルのターゲット種目に定め、強化に時間を割いてきた。個人種目は原則1種目のみとする案は「国民の期待」に応えるための策として受け止められるが、4年に1度のそれぞれの世界への挑戦が二の次になってはいけない。

 個人でも表彰台を狙うサニブラウンは、6月の全米大学選手権で短距離2種目と400メートルリレーの決勝3レースをわずか1時間半で走り、100メートルでは9秒97の日本新をたたき出した。五輪の過密日程をいかにしてクリアするか考え、強化を進めている。

 日本陸連には、選手の声に耳を傾けてから結論を出す責任がある。さらなる議論の余地がある。 (陸上競技担当・鈴木智紘)