2019.12.9 18:50

金平会長、オーナー側から事実上の“解雇通告”/BOX

金平会長、オーナー側から事実上の“解雇通告”/BOX

日本ボクシングコミッションを訪れた協栄ジム・金平会長、後方は太田貴裕弁護士=9日、後楽園ホール

日本ボクシングコミッションを訪れた協栄ジム・金平会長、後方は太田貴裕弁護士=9日、後楽園ホール【拡大】

 プロボクシングの協栄ジム(東京・新宿区)が9日、プロ活動休止となった。この日、金平桂一郎会長(54)がジム会長らで組織する東日本ボクシング協会(東京・文京区)へ休会届を提出し、受理された。ジムの実質的な経営を任せていたオーナー側との、金銭と権利関係のトラブルが理由。名門ジムが60年の歴史に一度、幕を下ろした。

 太田貴裕弁護士(44)とともに休会届を提出に来た金平会長の足どりは重かった。「私の責任とはいえ、非常に残念。選手にもファンの皆さまにも一番に申し訳ないと思っている」と無念の思いをにじませた。

 太田弁護士によると、2014年9月末ごろにジムの経営権をオーナー側に譲渡していた。しかし、今年に入ってからオーナー側から会長に情報がこなくなり、経営会議にも呼ばれなくなったという。7月末ごろにはオーナー側から会長へ支払われていた業務委託料の減額を通告された。

 そして「11月27日付で先方の代理人から『契約関係は解除する』という通達を受けた」という。事実上の“解雇通告”で、会長側は話し合いを要求したが、オーナー側からの連絡はなかった。

 現在、協栄ジムの建物や、商標登録の権利はオーナー側にあるため、金平会長はジムに入れず、選手やトレーナーとも会えない状況だという。ただし、東日本協会としてはクラブオーナーライセンスを所持しているのは金平会長のため、何かあれば責任は金平会長が負うことになる。このような状況では責任を負えないため、休会を決意した。

 協栄ジムは元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高(64)=現白井・具志堅スポーツジム会長=ら、日本ジム最多の13人の世界王者を輩出している。ジムには現在、元世界2階級制覇王者の亀田和毅(28)ら13人のプロボクサーが所属。基本的に所属ジムが休会中は試合に出場できないため、年内に試合を控えている選手は早急に移籍先を探すことになる。

 年内に試合があるのは、22日の全日本新人王決勝戦に出場する亀田3兄弟のいとこの亀田京之介(21)と竹原毅(24)。太田弁護士は「(22日の)ギリギリまで(オーナー側と)交渉することもできたが、ギリギリまで待って、やっぱりダメでしたとなると選手に一番迷惑がかかる。なのでこのあたりがギリギリの判断だった」とこの日に休会届を提出した理由を明かした。

 太田弁護士は「明確に経営権を譲渡したといえるのか不透明。どちらがオーナーか? これがこの問題の根底」と話し、訴訟を起こす可能性を示唆した。金平会長は活動再開について問われ「資金の問題もある。私が会長であるということを前提にしてできるようになれば」と答えた。

 東日本協会関係者は、金平会長の復帰に関して高いハードルが課される可能性を示した。5年以内に復帰できなければ退会となる。また、オーナー側が新たなクラブオーナーライセンス保有者を立てて申請しても、あくまで協栄ジムは金平会長のジム扱いのため、同じ名前での申請は通らない可能性を示唆した。

 名門の「協栄ジム」はこのまま消滅してしまうのか? 復活への道のりは険しい。