2019.11.17 10:00(1/4ページ)

【サンスポ×日体大】新体操フェアリージャパン、ロシアなど共同生活・年間350日

【サンスポ×日体大】

新体操フェアリージャパン、ロシアなど共同生活・年間350日

特集:
サンスポ×日体大
東京・北区の国立スポーツ科学センターで合宿中の杉本(左)と鈴木は、フープやボールなどを持ってポーズを決めた。柔軟性が際立つ (撮影・桐原正道)

東京・北区の国立スポーツ科学センターで合宿中の杉本(左)と鈴木は、フープやボールなどを持ってポーズを決めた。柔軟性が際立つ (撮影・桐原正道)【拡大】

 2020年東京五輪開幕まで、17日で250日。出身大学別で最多62人の夏季五輪メダリストを輩出している日体大とコラボレーションした長期連載の第20回は、9月の新体操・世界選手権団体総合で44年ぶりの銀メダルを獲得した日本代表「フェアリー(妖精)ジャパン」に迫る。同大卒業生で主将の杉本早裕吏(さゆり、23)=トヨタ自動車=や同大2年の鈴木歩佳(20)らメンバーの成長の裏には、ロシア西部のサンクトペテルブルクでの知られざる努力があった。 (取材構成・鈴木智紘)

 目の前で浴びせられた一言に、杉本は悔し泣きした。5面のフロアが広がるサンクトペテルブルクの練習場に、10年前から日本を指導するロシア出身のインナ・コーチ(64)の怒声が響く。「もっともっとエネルギーを出しなさい」。情熱的な教えを受けるフェアリージャパンの主将は言い切る。

 「日本の先生で、あのエネルギーで指導する方はいません」

 350日。選手が共同生活を送る1年の日数だ。約1週間の休みが2、3度あるだけ。冬から春にかけて主に行う同地での合宿はもちろん、国内でも強化施設で寝食をともにする。合宿は常に緊張と隣り合わせ。インナ氏は乏しい表情を「ソルジャーだ」と嫌う。曲を流さずに行う練習でも、表情豊かな演技を求める。笑顔が硬い選手は外し、あきれて途中で帰ることもあった。

 「それに食らいつくからうまくなるんだと感じた」と杉本。練習は午前11時半のバレエのレッスンから始まり、基本は8時間。練習場に完備される相部屋で過ごす時間はロシア語の勉強に充て、インナ氏との対話もできるようになった。洗濯機はなく、衣服は手洗い。厳しく指摘し合うため、チーム内では敬語は禁止だ。優しい一面があだとなり、杉本は7月に一時的に主将を外された。チームになれ合いはない。

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  • 新体操世界選手権の団体総合で44年ぶりの銀メダルを獲得した日本チーム。右端は主将の杉本早裕吏=9月、バクー(共同)
  • 5面のフロアが広がるサンクトペテルブルクの練習場
  • 新体操日本代表「フェアリージャパン」の山崎浩子強化本部長(右)=東京都北区の国立スポーツ科学センター(撮影・桐原正道)
  • バレエのレッスン
  • サンクトペテルブルクの練習場に完備される相部屋