2019.11.15 12:40

【すぐそばに東京五輪(14)】体操ニッポンへ突き進む 17歳・北園丈琉の本気

【すぐそばに東京五輪(14)】

体操ニッポンへ突き進む 17歳・北園丈琉の本気

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すぐそばに東京五輪
体操・個人総合スーパーファイナルで、あん馬の演技をする北園

体操・個人総合スーパーファイナルで、あん馬の演技をする北園【拡大】

 言葉はもちろん、演技からも、体操ニッポンを本気で目指す気概が伝わってきた。10月に17歳になった北園丈琉(たける)は、中学に入った頃から東京五輪を夢見ている。この1年の成長を問われ、にこりと笑って答えた。「まあまあかな」。緩めた表情を引き締めて続けた。「目に見えて、ここが強くなったとかはないです」

 国内男子上位選手で争った、さきの個人総合スーパーファイナル(SF)。大阪・清風高2年生は攻めに攻めた。あん馬でE難度のアイヒホルン、鉄棒でG難度のカッシーナと大技を難なく決めた。昨年の大会では、技の難度を示すDスコアは6種目合計32・4点だった。今年は35・1点。わずか1年間で大幅に難度を上げた。

 日本協会はDスコアが35点未満だった選手を0・5点減点する特別ルールを定めていた。高難度の演技構成で世界を牽引(けんいん)するロシアや中国に対抗するためだ。

 北園は昨年から順位を2つ上げて6位。大学生や社会人と渡り合ったが、床運動や鉄棒の着地の乱れに悔しさをあらわにした。「こんなレベルでは東京五輪はまだまだ」。世界水準を視野に鮮やかな成長曲線を描いているかのように見えるが、満足感はないという。

 SFで戴冠を飾ったのは、千葉・市船橋高3年の橋本大輝だった。今秋の世界選手権で日の丸を背負った1学年上のライバルの存在が闘争心をかき立てる。「(橋本は)少しのミスでも動じないメンタルの強さがある。6種目では負けたくない」

 未来のオリンピアンが集う昨年のユース五輪で5冠を成し遂げた。絶対王者の内村航平から一目置かれ、ナショナル合宿で技の指導を受けたこともある。「いつまでもすごいと思っていたら勝てない。内村さんがずっと勝ってきた個人総合にこだわってきた」。身長151センチ、体重48キロ。小柄な体操選手には負けん気の強さがある。

 「まだまだ強くなれる」。東京五輪の開催が決まったとき、まだ10歳だった。期待のホープは、猛スピードで夢に突き進む。(鈴木智紘)