2019.11.9 08:00

尚弥と激闘のドネア、宮本武蔵好き かつての愛車は“痛車”だった?!/WBSS

尚弥と激闘のドネア、宮本武蔵好き かつての愛車は“痛車”だった?!/WBSS

2012年10月、ドネア陣営が利用していたフォード社製のワゴン車

2012年10月、ドネア陣営が利用していたフォード社製のワゴン車【拡大】

 7日に行われたワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝で、WBA世界スーパー王者のノニト・ドネア(36)=フィリピン=はWBA、IBF世界王者の井上尚弥(26)=大橋=に0-3で判定負け。スピードや技術に守勢となりながらも12回を闘い抜き、不利との下馬評だったが粘りは光った。

 親日家のドネアは俳優の故三船敏郎さんの大ファン。ドネアがWBO、IBF世界Sバンタム級王者だった2012年10月、米カリフォルニア州カーソンで行われたWBC世界同級名誉王者・西岡利晃(帝拳)との王座統一戦を取材した。

 尚弥との大一番が日本で初の試合となったが、実はプライベートで来日するほどの親日家だ。きっかけは世界の三船が主演した1954年作の映画「宮本武蔵」を鑑賞したことだった。自身がボクシングをする姿が江戸時代の侍と重なり、すべてをささげる覚悟でリングに上がるという。

 当時は1612年に宮本武蔵と佐々木小次郎が相対した巌流島の決闘から、ちょうど400年。刀を拳に置き換えた対決が、関門海峡に浮かぶ小島ならぬ米西海岸で実現した。屈強なセキュリティー2人を従えたドネアは群がる報道陣に斬りかかるポーズを決め、片言の日本語で「ワタシハ、サムライデス」とアメリカンジョークを飛ばしていた。

 滞在先のホテルではスイートルームを確保。高級車を乗り回しているかと思いきや、駐車場に泊められたフォード社製のワゴン車には、自身の姿がド派手にペイントされていた。まるでアニメのキャラクターを塗装した日本の“痛車”のようだった。

 あれから7年。圧倒的不利との下馬評にも、意地を示した。9回に右ストレートで尚弥をぐらつかせ、11回にはダウンを喫したが立ち上がった。試合後、脳のMRI(磁気共鳴画像装置)検査を希望して病院に直行。関係者を通じ「尚弥が真のチャンピオンであることを証明した。ここまで私のパンチに耐えられる選手はいなかった。率直におめでとうと言いたい」と勝者を祝した。武士道精神を貫いたその姿は、江戸時代の剣豪そのものだった。