2019.10.16 22:59

IOC、東京五輪マラソンの札幌開催検討 異例の判断も暑さ対策で「包括的な一手」

IOC、東京五輪マラソンの札幌開催検討 異例の判断も暑さ対策で「包括的な一手」

特集:
東京五輪
MGCで力なくフィニッシュする設楽悠太=9月15日、東京・明治神宮外苑(撮影・桐山弘太)

MGCで力なくフィニッシュする設楽悠太=9月15日、東京・明治神宮外苑(撮影・桐山弘太)【拡大】

 国際オリンピック委員会(IOC)は16日、懸念が高まっている東京五輪の暑さ対策として、陸上のマラソンと競歩を札幌開催に変更する代替案の検討に入ったと発表した。五輪開幕まで1年を切り、IOCが会場変更を提案するのは異例の事態で、実現には難航も予想される。東京都内より気温が5~6度低く、地理的な条件などを理由としている。

 IOCは大会組織委員会や東京都、国際陸上競技連盟と協議を進める方針を示し、東京五輪の準備状況を監督する調整委員会が30日から都内で開く会合でも話し合う。「持久系の種目をより涼しい条件下で実施することは、選手と役員、観客にとって包括的な一手だ」と理由を説明した。

 組織委は「選手の健康は、組織委にとっても最重要事項。東京都とも連携し、関係者と議論する」との談話を出した。(共同)

セバスチャン・コー国際陸上競技連盟会長の話「選手に最高の舞台を用意することは重要。五輪のマラソンと競歩で最高のコースを用意するために国際オリンピック委員会や大会組織委員会などと緊密に連携していく」

トーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長の話「選手の健康は常に懸案事項の中心にある。マラソンと競歩の変更案は懸念を深刻に受け止めている証左。選手にベストを尽くせる条件を保証する方策だ」

スポーツ文化評論家の玉木正之さんの話「『プレーヤーズ・ファースト』の考えに沿うなら、当たり前のことだが、判断が遅すぎる。招致段階で7~8月は『アスリートに理想的な気候』と主張していたため、日本側から代替案を提案することができなかったのだろう。9月に本番とほぼ同じコースで代表選考レース『マラソングランドチャンピオンシップ』が実施されており、陸上関係者は驚きもあるだろうが、熱中症のリスクを考えると、国際オリンピック委員会(IOC)の判断を受け入れるしかない。他に涼しい場所もある中で、なぜ札幌が浮上したのか分からない点もあるが、冬季五輪招致を目指している札幌市にとってはプラスになるのではないか」

  • MGCでスタート位置につく(前列右から)大迫傑、設楽悠太、井上大仁ら=9月15日、東京・明治神宮外苑(撮影・川口良介)