2019.4.7 20:06

白井健三「反省があることが幸せ」 手負いの状態で表彰台死守/体操

白井健三「反省があることが幸せ」 手負いの状態で表彰台死守/体操

床の演技に挑む白井健三=武蔵野の森総合スポーツプラザ(撮影・川口良介)

床の演技に挑む白井健三=武蔵野の森総合スポーツプラザ(撮影・川口良介)【拡大】

 体操の個人総合で争うワールドカップ(W杯)東京大会が7日、調布市武蔵野の森総合スポーツプラザで行われ、男子で昨年の世界選手権団体総合銅メダリストの白井健三(22)=日体大大学院=が、左足首のけがに耐え、6種目合計82・964点で3位に入った。谷川航(22)=セントラルスポーツ=が同85・665点で2位、サミュエル・ミクラク(26)=米国=が同86・599点で優勝した。

 手負いの白井が表彰台を死守した。2週間前に左足首を負傷し、歩くのもままならなかった。着地は約1週間、得意の床運動と跳馬は5日ほど前に練習を再開したばかり。フロアに立つ喜びに満ちた22歳は、「緊張感や不安があっただけで幸せを感じる。反省があることも幸せ。無事に終えることができてよかった」と、すがすがしい表情を浮かべた。

 3月初旬のアメリカン杯前に左足首を痛め、競技人生で初めて大会を欠場。2週間前の練習で、けがを再発させた。必死のリハビリで今季初戦を迎えた気持ちの高ぶりが演技に乗り移った。

 4種目目の跳馬。直前のアップで負傷以降初めて決めたという「シライ/キム・ヒフン(伸身ユルチェンコ3回ひねり)」。ここ一番で自身の名を冠する技を成功。出来栄えを示すEスコアで高水準の9・166点をマークし、左拳を振りかざした。

 続く平行棒では大技のマクーツで失敗。全8選手中最下位の12・500点にとどまったが、最終種目の鉄棒でコバチなどの離れ技を決め、着地もこらえて挽回した。「足首は非常に痛かった。ビジョンに映る自分の着地を見るのがつらかった」。うずく左足首を気にする素振りを見せず、2時間超を戦い抜いた。

 練習ができなかった期間は、ケアのために休日も体育館に足を運び、患部を氷水で冷やした。「アメリカン杯と同じパターンになるのは嫌だった。ボロボロでも出たかった」。欠場を提案した畠田好章コーチらを説得し、臨んで立ったフロアで意地の演技を見せた。

 26日には、世界選手権の代表選考会を兼ねる全日本選手権(高崎アリーナ)が開幕する。「ここで1試合できたのは大きい」。養った試合勘、そして演じる喜びを胸に、この先で本領を発揮する。