2019.1.16 10:11

田子ノ浦親方、稀勢から引退の申し出に「『ご苦労さん』それ以上は続かなかった」

田子ノ浦親方、稀勢から引退の申し出に「『ご苦労さん』それ以上は続かなかった」

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稀勢の里
報道陣に稀勢の里の引退を伝える田子ノ浦親方=東京・江戸川区(撮影・佐藤徳昭)

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 大相撲の第72代横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦部屋=が大相撲初場所4日目の16日、現役を引退することが決まった。師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が同日朝、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋前で対応し、明らかにした。

 同親方によれば「稀勢の里は引退する。本人から話があり、本人が決めた。理由は、深くは語っていない。思ったような相撲が取れていないのが現実。横綱としては結果を出さないといけないのに、結果を出せなかった」とした。

 昨年11月の九州場所で横綱として87年ぶりに初日から4連敗(不戦敗を除く)を喫し、場所後の横綱審議委員会では不祥事以外では初の「激励」を決議。奮起を促された。

 進退が懸かった今場所も初日から3連敗と不振で、昨年9月の秋場所千秋楽から3場所をまたぎ8連敗(不戦敗を除く)。1場所15日制が定着した昭和24年以降では貴乃花を抜いて横綱の単独ワースト記録となった。

 横綱在位12場所は昭和以降10番目の短さ。国内出身の最高位が不在となる。

 稀勢の里は3敗目を喫した3日目の15日夜、打ち出し後に部屋に師匠を訪ね、約1時間半話し合っていた。そこで、横綱から「引退します。引退させてください」と申し出があったという。田子ノ浦親方によれば「(表情は)いつも通り。平常心であるようには見えた。(自分は)『ご苦労さん』と。それ以上は続かなかった」と引退を決断した。「稀勢の里は我慢強い。引退を話すということは、それなりの覚悟、気持ちがあったのだろう。そのことを考えたら、続けてほしいとはいえない」。

 稀勢の里は平成14年春場所初土俵。馬力を生かした攻めを武器に、貴乃花に次いで史上2番目に若い17歳9カ月で新十両に昇進するなど、スピード出世を果たした。その後は足踏みし、11年九州場所後に大関昇進。17年初場所で初優勝し、日本出身で19年ぶりの新横綱となった。

 続く春場所で左上腕などを痛めながら強行出場し、劇的に2度目の優勝。だが、けがの影響が残って故障が相次ぎ、力強さは戻らなかった。