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【乾坤一筆】三原以来の快挙に挑む井上岳志

【乾坤一筆】

三原以来の快挙に挑む井上岳志

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ベテラン記者コラム・乾坤一筆
井上岳志

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 羽田空港に降り立った三原正(三迫)は、メディアの異常な歓迎に驚嘆したという。昭和56(1981)年11月7日、米ニューヨーク州北部の街、ロチェスターでプロボクシングWBA世界スーパーウエルター級王座決定戦に臨んだが、戦前の予想は厳しいものばかりだった。「海外で日本人は勝てない」というジンクスがあり、層の厚い階級で、しかも敵地での世界初挑戦が主な理由だった。

 結果は4回にダウンを奪い、15回判定勝ち。試合の中継はなく、快挙はテレビのニュース速報で報じられた。日本に戻る機内でテレビ局から連絡が入り、「セコンドらスタッフも含め、そろいの服で降りてほしい」。妙な注文に首をかしげながら全員が黄色のジャージーに着替え、入国審査を済ませると、目の前には出発時に数人だった報道陣が殺到していた。

 スーパーウエルター級(上限69・8キロ)は今も世界的に選手層が厚い。フロイド・メイウェザー(米国)、マニー・パッキャオ(フィリピン)、ミゲール・コッド(プエルトリコ)ら名だたる王者がしのぎを削った階級で、三原以降、日本人が正規王者のベルトを巻いていない。

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