2019.1.9 05:02

吉田沙保里引退、父の厳しい指導で生まれた「世界を制す」タックル/レスリング

吉田沙保里引退、父の厳しい指導で生まれた「世界を制す」タックル/レスリング

特集:
吉田沙保里
2012年のロンドン五輪で金メダルを獲得し、父の栄勝コーチを肩車。吉田の“五輪史”の名場面でもある(共同)

2012年のロンドン五輪で金メダルを獲得し、父の栄勝コーチを肩車。吉田の“五輪史”の名場面でもある(共同)【拡大】

 吉田が3歳から始めたレスリングの礎をつくったのが、元全日本王者の父で2014年3月にくも膜下出血で急逝した栄勝氏だった。最大の武器で吉田の代名詞となったタックルは、父の厳しい指導から生まれた。

 栄勝氏が自宅の敷地内に道場をつくると、兄2人と一緒に正月以外はほとんど休みなしで猛練習した。右利きだが、外国選手が苦手とする左構えの姿勢を取ったのは父の「左を制する者は世界を制す」の教えによるものだ。

 勝ち続けることで外国勢に研究され、悩むことはあっても両足、片足とタックルのパターンを増やすなど原点に立ち返って勝利を積み重ねた。12年ロンドン五輪では3連覇を果たし、セコンドに付いた父を肩車して感謝した。

 突然父を失い、悲しみに打ちひしがれても「父が生きていたなら、絶対に休むことは許さない」と、わずか数日後に東京で開催された国別対抗戦のW杯のマットに立ち、タックルで日本の優勝に貢献した。

 4連覇の重圧に立ち向かったリオデジャネイロ五輪決勝では、最後までタックルに入れなかった。敗北が現役最後の試合となったが、その功績が色あせることはない。

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