2018.12.19 10:00(2/3ページ)

【平成の真実(18)】平成17年12月25日「ディープが負けた有馬記念」

【平成の真実(18)】

平成17年12月25日「ディープが負けた有馬記念」

特集:
平成の真実
ディープインパクトの有馬ウイークは大雪に見舞われ、池江敏行助手(左)、市川明彦厩務員も翻弄された

ディープインパクトの有馬ウイークは大雪に見舞われ、池江敏行助手(左)、市川明彦厩務員も翻弄された【拡大】

 英雄は大自然に試練を突きつけられた。この年の有馬ウイーク、滋賀・栗東トレセンは雪に見舞われ、調教の予定が二転三転。追い切りは予定通り水曜にこなしたが、一面が銀世界となった木曜は坂路の予定を、安全優先でプール調教に変更した。さらに金曜は積雪の影響で調教コースが限定され、不慣れなダートでの調整。その結果、レース2日前に追い切り並みの時計が出てしまった。

 「馬は普段やっていないことをやらされてテンションが上がっていた。我慢させないといけないところでパワーを使ってしまった。いくらディープでもオーバーワークではレースで(末脚は)はじけない。馬に申し訳なかった。雪を恨んだよ。それがなければ…と」

 レース後、すぐに敏行はトレーナーに謝った。「先生は『これで終わりじゃない。また、頑張っていこう』と温かい言葉をかけてくださった。それから、もう二度と失敗は許されない…と、それまで以上に神経をとがらせて調教に臨んだ」。その結果、翌年は国内で5戦5勝と完璧な成績を収めたのだった。

 ジャパンCを制した後には種牡馬入りが発表され、51億円という巨額シンジケートが組まれた。その重圧に押しつぶされることなく、前年に苦杯をなめた有馬記念で大団円を迎えられたのは、馬も人も衝撃の敗戦を乗り越えたからだろう。 =敬称略

★翌年は有終の美

 まさかの敗北から1年後。平成18年の有馬記念に臨んだディープは、前年を上回る単勝1・2倍の人気を背負ってラストランに臨んだ。「最後だから思い切り走らせてあげようと思った」という武豊騎手の気持ちに応えて、4コーナー10番手から他馬を一蹴する差し切り勝ちで3馬身差のV。見事にリベンジを果たして有終の美を飾った。

【続きを読む】

  • ディープインパクト(手前)は、先行策に出たハーツクライをとらえきれず2着。デビュー8戦目で初黒星を喫した
  • 当時のサンケイスポーツ紙面
  • 第50回有馬記念成績
  • ディープインパクトの全成績