2018.12.3 11:30

【eスポーツ研究所】出てこい!スーパースター!日本eスポーツ連合・浜村弘一副会長を直撃

【eスポーツ研究所】

出てこい!スーパースター!日本eスポーツ連合・浜村弘一副会長を直撃

特集:
eスポーツ研究所

カナダで開催された世界最高賞金大会の「The International 2018」には多くのファンが詰めかけた

 2018年の新語・流行語大賞にもノミネートされた「eスポーツ」。今年は「日本のeスポーツ元年」とも呼ばれた。もっとも、「言葉は聞いたことがあるけれど、それ以上のことは分からない」という読者も多いはずだ。「サンスポeスポーツ研究所」第2回は、日本eスポーツ連合(JeSU)の浜村弘一副会長(57)を直撃取材。「そもそもeスポーツって何?」という疑問から、日本の現状と展望を聞いた。

日本eスポーツ連合(JeSU)の浜村弘一副会長

 eスポーツとは対戦型コンピューターゲームで勝敗を争う競技。そもそもこれは、スポーツなのか?

 「日本では『スポーツ=身体を動かす』と思われていますが、本来スポーツとは『競技』という意味で使われている言葉なんです。年齢や性別に関係なく対戦できる。これは体を動かすリアルスポーツにない大きな魅力といえます」

 JeSUの浜村副会長はこう切り出した。8月にインドネシア・ジャカルタで開催されたアジア大会で、eスポーツは公開競技に採用され、6種目が行われた。そのうち日本発のサッカーゲーム『ウイニングイレブン2018』では、日本代表が見事に金メダルを獲得した。

8月のアジア大会で公開競技として実施されたeスポーツの『ウイニングイレブン2018』で金メダルを獲得した日本代表の(右から)相原翼、杉村直紀両選手

 「実は東アジアは、サッカーにおける南米のような、eスポーツの最激戦区です。eスポーツ大国の韓国やアジア大会でも2種目で金メダルを取った中国は世界の強豪で、台湾や香港も強い。残念ながら日本はまだ発展途上といえるかもしれません」

 海外ではeスポーツの主戦場となるオンラインのPCゲームが普及したのに対し、日本では家庭用ゲーム機が人気だった影響が大きい。ゲーム機で家族や友人と楽しむものという意識が強かった。

 「海外の大会で活躍する日本人プロゲーマーは個人戦では以前からいましたが、eスポーツで主流の複数のプレーヤーで戦うチーム戦は苦手でした。今後日本代表チームの出場機会を増やし、国際大会で経験を積むことで世界との差は縮まっていくと思います」

 海外には億単位の賞金を稼ぐプロゲーマーもいる。そんなスターたちの華麗なテクニックを、会場で、オンラインで見て楽しむ。日本でも、囲碁、将棋やマージャンの対戦番組を見る人が多いように、自分でプレーしなくてもeスポーツを見るのは好きという人が、だんだん増えてきているという。

華やかなステージで行われたアジア大会

 それだけに、野球の長嶋茂雄、サッカーの三浦知良のような、スーパースターの出現が待望されている。

 「海外ではプロゲーマーのステータスが高く、韓国ではタレントとして活躍している選手がいるほどです。普段ゲームをしない人たちに興味を持ってもらえるようなスターが日本にも出てくれば、eスポーツはさらに発展していくでしょう。たった一人のスターが、そのスポーツのイメージをガラッと変えたケースはいくつもありますからね」

見事金メダルを手にした(右から)杉村・相原両選手

 浜村副会長は力を込めた。eスポーツは2024年パリ五輪での正式競技入りを目指している。まずは見て、次にプレーしてみる。ぜひ一度、eスポーツに触れてほしい。

 ★「ウイイレなど11タイトル認定」

 JeSUが公認するゲームは11タイトル(2018年11月現在)で、プレー経験がある読者も多いはず。公認外でも野球ゲームの『パワプロ』のように、独自にプロリーグや大会が行われているタイトルもある。

 海外で人気なのは、5対5のチーム戦で相手の陣地を取りに行く『DOTA2』。世界最高賞金大会の『The International』で採用されており、世界中にファンが多い。これと人気を二分するのが同じく団体戦の『リーグ・オブ・レジェンド』。どちらもルールはシンプルだが奥が深く、戦略性の高さやプレーヤーの駆け引きなど、見ているだけでも楽しい。

JeSU公認ゲームタイトル

 ★「世界最高」は総額30億円規模

 世界最高の賞金トーナメントは今年8月にカナダで開催された『The International 2018』。賞金総額約29億1000万円で、優勝賞金は約12億8000万円。この大会の賞金は世界でも群を抜いて高く、歴代上位を独占している。海外の大規模なeスポーツイベントは、入場者、オンライン観戦者が桁違い。若い世代に効果的にPRできるコンテンツとして、テレビ以上の宣伝効果が認められている。莫大な広告料が高額賞金を支えている。

 ★大会の実績に応じて認定

 以前は大会で賞金を獲得したり、実績によりスポンサーが付いたりすることで各自がプロを名乗っていた。JeSUは新たに「プロライセンス」を発行している。公認ゲームタイトルの公式大会での実績に応じて認定されるが、100人に1人程度という狭き門だ。

 現在、JeSUのライセンスを持つプロゲーマーは125人。公認ゲームタイトル以外で“実質プロ”として活動する者、プロチームに所属する者もいる。ちなみに日本人プロゲーマーの最高年齢は40代。しかし世界を見渡すと、北欧のスウェーデンには平均年齢60代の高齢プロゲーマーチームがあるという。

eスポーツと他プロ競技の最高優勝賞金大会の比較

浜村 弘一(はまむら・ひろかず)

1961(昭和36)年生まれ、57歳。大阪府出身。ゲーム情報誌「ファミコン通信」(現週刊ファミ通)の創刊に携わり、編集長も務める。エンターブレイン代表取締役社長、カドカワ取締役を歴任。2018年2月、JeSU設立とともに副会長に就任。

 ★eBASEBALL パワプロ・プロリーグ開幕!
  畠山、初回代打ホームラン

一回に代打・畠山が逆転2ラン。戦術的にも狙い澄ました一撃に、観客も大興奮

 11月10日、野球ゲーム『パワプロ』のプロリーグが開幕した。3人1組でプロ野球12球団のチームを結成してペナントレースを争う「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」だ。

 実在の選手が登場するため、野球ファンも楽しめる。リアルとゲームとで、重宝される選手も異なる。そこが楽しい。

 例えば中日との開幕3連戦で1勝2敗となったヤクルト。昨年のパワプロ日本一、マエピー選手(31)は、4番スタメンで荒木を起用した。荒木といえばユーティリティーの脇役で、4番タイプではない。ところが、これが戦略だった。

 一回一死二塁で荒木に回ると、いきなり代打に大砲の畠山を起用し、鮮やかに2ラン。実は畠山は「代打○」の特殊能力があり、スタメンで起用するより打力が上がる。今シーズンの成績が反映されていて、畠山の代打成績は打率・289、2本塁打、12打点。ゲーマーはその特殊能力を最大限に活用している。

 また、今季のヤクルトは逆転が多く、リリーフ投手の勝利数が伸びた。そのため近藤、中尾ら中継ぎ陣に「勝ち運」の特殊能力があり、彼らが投げている間はチームの打力が上がる。打つ、投げるという動作は指先次第だが、パラメーターやデータ、特殊能力を活用し尽くすのがプロの技。リアルの野球にはない“すごみ”を感じられるのが、eスポーツ観戦の魅力の一つだ。

熱戦を解説したプロ野球OBの左から黒木知宏、真中満、谷繁元信の各氏

開幕戦を解説した前ヤクルト監督の真中満氏(サンケイスポーツ専属野球評論家)の話「選手の調子、特殊能力をみて細かく選手交代をするベンチワークは見応えがある。一回から代打を出してホームランを打つのには興奮を覚えた。シーズンオフを迎えた野球ファンも盛り上がってくれるのでは」

 ★eスポーツZERO in OSAKA
  プロゲーマーが実力披露

ワンズ・バトルドッグス・BLACK選手は挑戦者に圧勝してしまい、広報の相原みなほさんと苦笑い

 大阪市福島区役所などの主催で行う「ふくしま水辺フェス2018」の一環として「eスポーツZERO in OSAKA」(サンケイスポーツ協力)が25日、同福島区の水上レストランで開催された。

 イベントでは、ワンズ・バトルドッグスのBLACK選手(21)が、株式会社ポリフォニー・デジタル開発のリアルドライビングシミュレーター『グランツーリスモSPORT』を使い、挑戦者と実車さながらのコントローラーを用いて争い、技術の差を見せつけ、会場を沸かせた。

 ほかのプロゲーマーでは、ジャカルタ・アジア大会のeスポーツのサッカーゲーム『ウイニングイレブン2018』部門で優勝した杉村直紀選手(22)が、金メダルを掲げて来場した。日本プロ野球機構とコナミデジタルエンタテインメントが共催する『eBASEBALL パワプロ・プロリーグ』に参戦中で、阪神タイガース所属のショーラ選手(18)も出演した。

★eスポーツ研究所・ブリッチ所長の「eスポーツ観戦記」

勝利し、タオルを掲げるDeNAの選手たち(左からじゃむ~、AO、ヒデナカモト各選手)

 どうも!サンスポNO.1テクニシャン、ブリッチ所長です。サンスポeスポーツ研究所が始動して1カ月が経ちました。所長に就任し、eスポーツに関連する取材もできて、仕事と趣味を両立できる日々に喜びを感じています。

強く印象に残っていることは、パワプロ・プロリーグ開幕戦、広島VSDeNAの第3戦です。DeNAのAO選手の逆転3ランホームランは思わず声が出てしましました!あの盛り上がりは野球が好きな人ならだれもが共感できるのではないでしょうか。プロ野球のシーズンが終わり、暇になってしまったプロ野球ファンのみなさん、公式サイトから試合のアーカイブも見ることができるので、是非チェックしてください。

 今後は不定期ながら所長のコラムを連載していきますので、是非お付き合いください!ツイッター(@sanspo_espo)も見てね!