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【平成の真実(8)】平成19年7月21日「武豊JRA新通算2944勝」

【平成の真実(8)】

平成19年7月21日「武豊JRA新通算2944勝」

特集:
平成の真実
JRA最多勝記録の表彰式で、武豊は記念の鞍を誇らしげに掲げる。デビューから20年あまりでの達成だった

JRA最多勝記録の表彰式で、武豊は記念の鞍を誇らしげに掲げる。デビューから20年あまりでの達成だった【拡大】

 多くの名馬とともに、平成の競馬シーンを彩っている中央競馬のレジェンド、武豊騎手(49)。数々の記録を打ち立ててきた天才騎手は、平成19(2007)年7月21日、岡部幸雄元騎手(70)の記録を抜き、2944勝のJRA通算最多勝を達成した。そのとき、岡部氏から言われた言葉とは。武本人が当時を振り返り、岡部氏は天才たるゆえんを明かす。 (取材構成・千葉智春、田中直成)

 ゆったりと時間が流れるいつもの夏の日ではなかった。武豊のJRA最多勝達成を期待するファンの熱気が、早朝から小倉競馬場に充満していた。

 「普段の小倉競馬場とは雰囲気が全然違いました。早く達成できたら…と思っていましたよ」

 名手はJRA最多勝まで残り4勝で迎えたこの日、計11レースに騎乗した。11Rまでに3勝して、岡部幸雄が持つ2943勝に並ぶと、12Rのヒシワンスモアで連勝してあっさりと記録を塗り替えた。1987年3月1日の初騎乗から20年4カ月、1万4104戦目での大記録到達だった。

 武豊のデビューは日本の競馬界にとって衝撃だった。それを誰よりも感じていたのが、武がデビューした年のリーディングジョッキー、岡部だ。「デビューしてすぐに5年、10年と経験したようなことができていた。世の中にこんなジョッキーがいるのかと思ったよ」。岡部はレース運びや状況判断、ステッキワークなど新人とは思えない騎乗に舌を巻いた。

 3年目の89年にリーディング1位になるなど、数々の記録を打ち立てる天才騎手に、岡部は「ライバル? もうファンだよ、武豊ファン」。21歳も年下の騎手に一目置いていた。岡部は95年に当時の最多勝記録2017勝を達成したが、「自分の記録を抜かれることは何とも思っていないし、抜くのは当たり前」と、後輩の新記録達成を待ち望んでいた。

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  • 1996年のJRA賞授賞式。平地騎手の3賞を武豊(左)と岡部幸雄で分け合った
  • 最終12Rで決めた
  • 五輪選手と変わらない「金」ボディー
  • 武豊の主なJRA記録(29日現在)