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【平成の真実(2)】平成元年11月26日「オグリキャップJCの死闘」

【平成の真実(2)】

平成元年11月26日「オグリキャップJCの死闘」

特集:
平成の真実
オグリキャップ(手前)はホーリックスと死闘を演じてクビ差2着。異例の連闘が、実は激走の要因だった

オグリキャップ(手前)はホーリックスと死闘を演じてクビ差2着。異例の連闘が、実は激走の要因だった【拡大】

 来年4月末で幕を下ろす平成の名場面から、新事実を発掘する大型連載。第2回は、当時の世界レコードで決着した平成元(1989)年、競馬のGIジャパンカップ(JC)で2着となったオグリキャップを取り上げる。爆発的な競馬ブームの立役者が死闘を繰り広げた大一番。実況を担当した元フジテレビの大川和彦アナウンサー(71)が、その記憶をひもといた。(取材構成・内海裕介、板津雄志)

 名だたる世界の強豪が顔をそろえた平成元年のJC。意地と意地のぶつかり合いは、当時の芝2400メートルの世界レコードを更新する2分22秒2の壮絶なタイムで決着した。

 バブル景気との相乗効果で訪れた空前の競馬ブーム。その象徴となった伝説の熱戦を、フジテレビで実況したのが大川和彦だった。勝ったホーリックスとの死闘となったゴール前。南井克巳騎乗のオグリキャップに「オグリ頑張れ、オグリ頑張れ」と、声を張り上げた名実況は語り草だが、小さなミスを犯していた。

 「先頭に立っていないのに『オグリ先頭』と言っちゃっているし、馬名も(スタートからゴールまで)全部で6頭しか挙げていない。今だったらネットで叩かれていますよ(笑)」

 双眼鏡とモニターを併用していたが、超ハイペースのせいか、カメラワークにタイムラグが生じた。また、オグリは前の週に京都でGIのマイルチャンピオンシップ(芝1600メートル)を勝ち、次の週にもレースを走る連闘策。異例の強行軍で体調を心配されていたぶん、東京競馬場の声援がすさまじく、それもスポーツ実況の第一人者を戸惑わせた。全15頭の名を伝えることが鉄則だが、3着のペイザバトラーすら呼ばなかった。

 大川は後日、オグリを管理した調教師の瀬戸口勉(故人)と話す機会を得て、激走の理由を知る。「マイルの流れを経験しての連闘だったから、あの(速い)ペースについていけたんや」。5番手の好位を楽に追走できたのも、マイル戦の厳しい流れで走ったばかりだったから。過酷に思えた連闘策が、感動の走りを呼んだのだった。

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  • レース当日付紙面の出走馬表
  • 第9回ジャパンC成績