2018.8.31 15:01

塚原夫妻の反論&謝罪全文「宮川選手の心を傷つけていることに気付くことができなかった」/体操

塚原夫妻の反論&謝罪全文「宮川選手の心を傷つけていることに気付くことができなかった」/体操

塚原光男副会長(左)と塚原千恵子女子強化本部長

塚原光男副会長(左)と塚原千恵子女子強化本部長【拡大】

 2016年リオデジャネイロ五輪体操女子代表の宮川紗江(18)からパワハラされたと訴えられた日本協会の塚原千恵子女子強化本部長(70)と夫の塚原光男副会長(71)は31日、代理人弁護士を通じ「私たちにも責任があることは確か。私たちの言動で深く傷つけたことを本当に申し訳なく思っております」と文書で謝罪した。

 文書の内容は以下の通り。

 メディア・報道関係者 各位

 今回の報道につきまして

 まずは、今回、私たちに関する報道で、多くの方々にご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

 また、現在、体操強化合宿中の選手たちにとっては大事な時期であるにもかかわらず、選手を精神的に動揺させてしまい、このような形で騒がせてしまったことについて、心より謝罪を申し上げます。

 そして、何より、まだ18歳という宮川紗江選手にこのような会見をさせてしまったことにつきましても、私たちにも責任があることは確かであり、宮川紗江選手に対して、心からお詫びを申し上げます。私たちの言動で宮川紗江選手の心を深く傷つけてしまったことを本当に申し訳なく思っております。

 今回の宮川紗江選手の会見内容につきましては、私たちの方からもご説明をさせていただければと思っております。当然ながら、私たちも嘘偽りなくお話をさせていただければと思っております。

 1 塚原千恵子の言動について

 まず、宮川遼手の記者会見では「あのコーチはダメ。だから伸びないの。私は速見より100倍よく教えられる」と私が発言したとのお話があり、私に証言を強要されたとのことでしたが、確かに宮川選手も認めているとおり速見コーチに暴力行為があったため「あのコーチがダメ」とは言いましたが、私が「100倍よく教えられる」とは言っておらず、このような発言をした事実はありません。

 また、私が宮川選手に対して「家族でどうかしている。宗教みたい。」と発言したという点ですが、私は暴力について、宮川選手に対して「家族も暴力を認めているの?」と確認したところ「家族もコーチの暴力を認めている」と言っていたため、思わず、たとえとして「宗教みたい」とは言ってしまいました。この言葉については不適切だと大変反省しております。

 そして、今回、大きく報道されていることの一つとして、宮川選手が、私の付き人から朝日生命体操クラブへの加入を勧められたとご主張されておりますが、この点についても真実と異なります。私たちは、宮川選手に関して、一切、勧誘を行っておりません。

 さらに、「五輪に出られなくなるわよ。」という発言については、確かに宮川選手にそのようにお伝えしたのは事実です。しかしながら、この発言は、宮川選手の直近の成績が振るわず、また、宮川選手が足首を怪我していたことを踏まえ、正確には「グラスゴー以来、活躍できていない。だんだん成績が落ちてきているでしょう。そして、このような成績や現状のままだと五輪に出られなくなるわよ。」という内容を伝えたのです。具体的には、今年の全日本種目別選手権で、宮川選手は、得意の跳馬やゆかで成績が振るっていませんでした。また、宮川選手は、7月4日から10日までのオランダ遠征に選考されて現地に派遣されていましたが、直前の足首のケガで現地の大会の競技には参加することができませんでした。他にも、実際に7月16日の私と宮川選手の面談の際に、宮川選手から私に対して「この状態で合宿すると気持ちがついていかないから、帰らせてほしいです。」「今の状態では集中ができない。怪我をして。」という申し出がありました。私は、決して、宮川選手を脅すための発言はしていません。

 強化本部長である私の言葉ですべてが動いている状況というお話がありましたが、例えば、海外派遣についても、強化本部の推薦で海外派遣に行くメンバーを決めた後、常務理事会で決定・承認を行わなければなりません。また、オリンピックの選考についても、私の一存ですべてが決まるわけではなく、常務理事会で選考基準を毎回ごとに決めた後、選考会の結果をもって選考を行っています。そのため、オリンピックの選考は、私の独断で行われるわけではなく、選考会に出て結果を出せば、必然的にオリンピックに出ることができます。

 また、私の「2020に申込みをしないと今後協会としてあなたには協力できなくなるわよ」との発言についてご説明させていただきます。まず、2020の申込みとは東京オリンピックに向けての強化選手の申込みのことです。宮川選手は、この当時、2020東京五輪強化選手ではなく、同強化選手でないと利用できない支援、例えば、女性コーチではない速見コーチでは、指導が難しいゆかの振付等を同強化選手の指導にあたっている女性コーチに行わせるなどの支援を利用できない状態でした。そこで、強化本部長であった私は、上記のような発言をしたのでした。

 そして、私が複数のコーチを呼び出し「速見コーチの暴力を見たって言いなさい」と何度も迫ったとありましたが、そのような事実は一切なく、これは各コーチも証言していただけると思いますが、選手も含めてNTC(ナショナルトレーニングセンター)において速見コーチの暴力や暴言を見たという証言は多く、私が決して無理やり言わせたものではありません。

 さらに、私が、7月15日、宮川選手に対して、何度も何度も「暴力はあったんだよね、あったんだよね。」というふうに誘導尋問のように言ったとのことですが、正確にこの時のことをお伝えいたします。私は、宮川選手に対して、まず、「速見コーチによる暴力はあったの?」という質問をしたところ、宮川選手は無言だったため、私が再度「速見コーチがあなたに暴力をふるっているところを見た人がいるんだけど、暴力はあったんだよね?」と質問したところ、宮川選手が速見コーチの暴力を認めました。ただ、この点について誘導と言われてしまうのであれば、私の確認の仕方に落ち度があったと思っております。

 最後に、宮川選手の会見では、私が終始高圧的な態度とありましたが、その点については、そのように宮川選手に対して思わせてしまったのであれば、私の態度に問題があったかと考えており、大変申し訳なく思っております。ただ、今後、第三者委員会に提出予定である、私たちが保有している宮川選手との録音内容をお聴きいただければ、私が決して高圧的な態度ではないということはお分かりいただけると思っております。

 2 塚原光男の言動について

 7月15日に私が宮川選手と話をした趣旨は、私は、副会長という立場で、宮川選手のために、一つ目は、暴力は指導者としても選手としても許容してはいけないということ、二つ目は、日本代表候補選手として責任と義務がありますので、代表候補選手としての自覚をもって行動してくださいということ、三つ目として、強化本部長の指示に従って、「チーム宮川」ではなく、みんなと一緒にナショナルチームとして合宿に参加して欲しいということにあります。このような趣旨で、私は、宮川選手に対して、副会長として、必要である指導と注意をいたしました。宮川選手の記者会見では、私が「速見コーチが除外されたら困るのは、あなた。今すぐ(コーチとの)関係を切りなさい。」との発言をしたとお話されておりましたが、正直に申し上げて発言 内容について正確に覚えていないところもあります。言い訳に聞こえるかもしれませんが、大変申し訳ございません。

 ただ、私は「暴力でしか指導できないコーチとは関係を切りなさい」という趣旨での発言したかもしれません。私は、暴力でしか指導できない指導者は不適格と考えているので、宮川選手の能力を私も認めているからこそ、本人のために「こうあるべき」という話はしたかもしれません。

 また、体操という複数の種目を一人でこなすことのある競技の性質上、私は、マンツーマンで指導にあたるスタイルの速見コーチだけではなく、複数の専門的指導者が宮川選手にも関わるべきだと思っており、それが選手の国際競技力向上につながると思っております。

 3 今回の件及び今後について

 事実関係は上記1・2のとおりですが、いずれにせよ、私たちの言動が宮川選手を傷つける結果になってしまったことは事実であり、選手を監督・指導する立場にありながら、宮川選手の心を傷つけていることに気付くことができなかったことについて、猛省しております。

 今後、私たちは、日本体操協会が立ち上げる第三者委員会の調査活動に全面的に協力していきたいと考えております。私たちが保有している証拠もありますので、それにつきましてもすべて提出し、第三者委員会にはハラスメントがあったか否かについて、適正にご判断をしていただきたく思っております。

 また、第三者委員会とは別に、体操の関係者たちが私たちに対して厳しい目を向けており、かつての選手たちからも大変厳しいご意見をいただいております。これは、全て私たちの今までの行いに原因があると思っております。もちろん私たちは、言い訳に聞こえるかもしれませんが、アスリートたちに敬意をもって、日本の体操の未来を考え、ただただ一生懸命頑張ってきました。そういったなか、私たちの言動について、違和感を覚えていた方々もいらっしゃったと今は感じております。現在、そういった皆様のお声に真摯に向き合い、今後の私たちの進退については第三者委員会の結果等も踏まえ、各関係者と協議することも検討しております。

 最後に、マスコミの皆様や国民の皆様に対しては、2020年に東京オリンピックを控え、様々なスポーツ団体の問題が連日取り上げられておりますが、選手たちは自分自身と戦い必死で頑張っております。そういった選手の期待や思いを私たちは一番に考えておりますので、何卒、選手たちやスポーツ界を応援していただければと思っております。私たちも、私たちの言動の影響力について改めて自覚し、考えを改め、2020年の東京オリンピックにおける日本選手の活躍を応援していきたいと考えております。

 なお、今後、私たちの記者会見等については、開催の有無も含め、現在協議中でありますが、詳細が決まり次第、マスコミの皆様に対してご連絡をいたします。

 以上