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【乾坤一筆】大橋会長の粋な美学!「尚弥がボクシング界の大谷になれるかもしれない」

【乾坤一筆】

大橋会長の粋な美学!「尚弥がボクシング界の大谷になれるかもしれない」

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ベテラン記者コラム・乾坤一筆
井上尚弥

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 興奮した口調で会心の勝利を振り返る新王者の横で、大橋秀行会長は椅子に深くもたれ、脱力感が漂っていた。大橋ジムに所属するプロボクシングの井上尚弥が25日、ジェイミー・マクドネル(英国)にTKO勝ちで世界3階級制覇を達成したWBAバンタム級タイトルマッチ後の光景だ。

 多弁な会長がほとんど言葉を発しない。その理由を問うと、「勝つのは分かっていた。王者をリングに上げる俺の仕事ができて本当によかった」との答えが返ってきた。米国、英国で生中継された一戦は、大橋会長の興行主としての大胆な交渉術が実現させたものだった。

 近年、英国のボクシング人気は隆盛を誇り、ヘビー級王者アンソニー・ジョシュアの世界戦に9万人が集まるほど。有利なホームで高額なファイトマネーを手にできる王者が、国外で闘うメリットはない。2016年12月、大森将平の世界戦(京都)が、IBF世界バンタム級王者のリー・ハスキンスのけがで直前に中止。英国人王者が初めて日本のリングに立つ計画は実現しなかった。

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