2018.2.3 05:00

【記者の目】沈黙により求心力を失った貴乃花親方

【記者の目】

沈黙により求心力を失った貴乃花親方

特集:
貴乃花親方
理事候補選挙に向かう貴乃花親方=東京・両国国技館(撮影・戸加里真司)

理事候補選挙に向かう貴乃花親方=東京・両国国技館(撮影・戸加里真司)【拡大】

 日本相撲協会の1期2年の任期満了に伴う理事候補選挙が2日、東京・墨田区の両国国技館で行われ、101人の全年寄(親方)による投票で貴乃花一門の支援を断った貴乃花親方(45)=元横綱=はわずか2票の得票で落選。

 「平成の大横綱」のブランド力が急降下した。貴乃花親方の得票はわずか2。むなしい数字だ。

 平成28年の前回選挙。貴乃花一門の基礎票は「8」といわれ、さらに異なる2つの一門から計8票を取り込み、当選した出羽海一門の親方へ7票を融通したとみられた。つまり「16」の勢力を持ち、影響力も行使できた。だが、今回の集票は山響親方に回した2票を加えても「12」にとどまり、求心力は激減した。

 当選した阿武松親方は、玉砕覚悟の貴乃花親方の出馬を「(選挙は)協会へ活力を与える」とした。だが、現実は隠れ支持者が皆無だったことを意味する。貴乃花親方は頑なに口を開かず、憶測が垂れ流しされたテレビのワイドショーなどを結果的に黙認した。同親方と年齢の近い若手親方らは「人格を疑う」「おかしいよ」。

 イギリスの思想家カーライルは「衣装哲学」のなかで「雄弁は銀。沈黙は金」とした。それでも、自身が所属する組織や仲間への理不尽な口撃を容認する「沈黙は金」などあり得ない。言葉が生まれた当時、銀は金よりも貨幣交換価値が高かった、という説がある。 (大相撲担当・奥村展也)

  • 理事候補選挙で敗れた貴乃花親方(右)は、険しい表情を浮かべて会場を後にした(撮影・田村亮介)
  • 年寄総会が終わり相撲教習所を出る貴乃花親方=両国国技館(撮影・田村亮介)
  • 部屋を出る貴乃花親方=東京・江東区の貴乃花部屋(撮影・田村亮介)
  • 部屋を出る貴乃花親方=東京・江東区の貴乃花部屋(撮影・田村亮介)
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