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【五輪を語る 産経新聞特別記者・佐野慎輔】ボイコットは何も生まない

【五輪を語る 産経新聞特別記者・佐野慎輔】

ボイコットは何も生まない

特集:
五輪を語る 産経新聞特別記者・佐野慎輔
ロシアの平昌大会ボイコットは避けられる見通し。フィギュアスケートの女王、メドベージェワの演技が見られそうだ

ロシアの平昌大会ボイコットは避けられる見通し。フィギュアスケートの女王、メドベージェワの演技が見られそうだ【拡大】

 どうやら、ロシアの平昌五輪ボイコットは避けられそうだ。

 プーチン大統領がこう語ったという。「個人資格による参加を希望するなら、選手の出場を阻むつもりはない」

 言葉を額面通りに受け取れば、これで女子フィギュアスケート、メドベージェワの華麗な演技を江陵の競技会場でみることができる。さぞかし、韓国の関係者も胸をなで下ろしているだろう。

 ボイコットは何も生まない。政治家のメンツだけが表に出て、選手はあおりを食うしかない。

 先日、日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恒和さんにお目にかかったとき、「ほんとうによかった」と話されていた。彼もまた、ボイコットのあおりを受けたひとりである。

 竹田さんは馬術代表として夏季五輪の1972年ミュンヘン、76年モントリオール大会に出場した。「2大会とも納得いく出来ではなかったので、次のオリンピックも出場したいと思っていました」。しかし日本は、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議するカーター米大統領の呼びかけで、モスクワ大会をボイコット。「夢がついえ」現役を退いた。

 歴史に「もしも」が許されるなら、竹田さんの競技生活も変わっていたかもしれない。

 全日本柔道連盟会長の山下泰裕さんもモスクワボイコット組である。決定の報に大泣きする写真は目にする機会が多い。失意のまま臨んだ翌日の全日本体重別選手権、相手の「かに挟み」で左足を骨折してしまう。

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