東京五輪のマラソン代表選考会の出場権を獲得し、日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(左)と握手する大迫傑=平和台陸上競技場【拡大】
遠征中は家族とのテレビ電話を欠かさないパパとしての顔もある。沿道で声援を送った娘の優(ゆう)ちゃん(5)は「足が速くて、かっこよかった」。日本の男子マラソンは16年リオデジャネイロ五輪、17年世界選手権(ロンドン)と入賞なし。日本歴代5位の快走は低迷が続く競技に差した一筋の光だ。「1位と2位は僕の100%を超えていた。100%を上げていきたい」と大迫。理想は遠くにある。 (鈴木智紘)
尾県貢・日本陸連専務理事「選手たちの東京五輪への意欲が高まったと感じた。大迫は日本と世界の距離を短くしてくれた」
瀬古利彦・日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダー「大迫にあっぱれと言いたい。日本記録更新は時間の問題。100メートルの桐生のように日本人選手の目標になってほしい」
優勝したソンドレ・モーエン「ケニアでトレーニングしており、長期的に継続してきたことが結果に結び付いた」
大迫 傑(おおさこ・すぐる)
1991(平成3)年5月23日生まれ、26歳。東京都出身。男子3000メートルで7分40秒09、同5000メートルで13分8秒40の日本記録を保持する。2013、15年世界選手権、16年リオデジャネイロ五輪代表。今年4月のボストン・マラソンは2時間10分28秒で3位。早大卒業後、日清食品グループを経てナイキ・オレゴンプロジェクト所属。1メートル70、52キロ。