2017.4.19 14:15(2/2ページ)

瀬古氏、“禁断の領域”国内大会に改革のメス 現役時代に味わった“一発選考”の経験を生かせ/マラソン

瀬古氏、“禁断の領域”国内大会に改革のメス 現役時代に味わった“一発選考”の経験を生かせ/マラソン

瀬古利彦氏

瀬古利彦氏【拡大】

 自宅にカミソリが送られてきたり、会社に「瀬古を殴りに行く」という脅迫電話がかかってきたりして、自宅前を警察に警備してもらった。練習で外を走っていると自転車で追いかけてきた男に「ひきょう者」とののしられたこともあったという。ソウル五輪を迎える前に瀬古氏は心身ともに疲れてしまい、医師の診察を受けると「燃え尽き症候群」と言われた。心と体のバランスが戻ることはなく、ソウルでのレースは走るだけで精いっぱいで9位に終わった。

 東京五輪マラソン代表選考の新方式は、一発選考の要素を取り入れることが大きな変更点だ。今夏から19年春まで行われる大会を「GCシリーズ」と銘打ち、日本陸連の設定タイムや順位をクリアした選手が「GCレース」への出場権を得る2段階選考となる。代表を勝ち取るには、2レースを高水準で走りきる実力が求められ、陸連は選手の調整能力や安定性を見極める。

 残る1枠は19年秋から20年春までの男女各3大会「GCファイナルチャレンジ」の記録最上位者を選ぶ。従来は条件が異なる複数のレース結果を陸連が比較検討する形だったが、明確な基準に基づく新方式では選考の透明化が期待できる。注目必至のGCレースが誕生する一方、これまで代表選考会に指定されていた国内大会は役割が低下する。これまでテレビで全国に中継され、協賛スポンサーもほぼ固定されている重要な放送コンテンツだった。その“禁断の領域”に改革のメスを入れた瀬古氏の本気度が試される。